ゴルフ用語

2015.03.13

ストロークゲインドパッティング

2011年5月、米PGAツアーは、選手のパフォーマンスを示すスタッツ(平均スコアや平均飛距離などの部門別データ)の項目に、15年ぶりに新しい指標を採用した。それが、「ストロークゲインドパッティング(strokes Gaind Putting : SGP)」である。

この、「SGP」という指標は、「パッティングで(putting)、どれだけストロークを(strokes)、稼いだか(gained)」を示すもので、従来の平均パット数(パーオン時、あるいは1ラウンドあたり)に代わるものとして、導入直後から大いに注目された。

SGPとは、ある距離のパットに自分が費やしたストロークを、ツアー全体の平均ストロークから引いた数値である。例えば、統計上、8フィート(2メートル半弱)のパットの(米PGA)ツアー平均は、約50%。つまり、1パットで決めるプレーヤーと、2パットしてしまうプレーヤーが、ちょうど半々ということで、プレーヤー1人あたりの平均ストローク数は「1.5」打である。この時、自分が1パットでホールアウトすれば、ツアー平均より「0.5」打稼ぐことになり、2パットしてしまうと、ツアー平均より「0.5」打損をしてしまうことになる。こうして、すべてのパットをツアー平均と比較して、SGPを算出し、合計すれば、そのプレーヤーのパットが、ツアー平均よりどれだけ上回っているか、あるいは下回っているかがわかる。パットの巧拙、全スコアに対するパターの貢献度などが、従来よりも正確、かつ如実にわかる指標なのである。

この新たな指標は、米コロンビア大学ビジネススクールの、マーク・ブローディ教授と、マサチューセッツ工科大学の3人の研究者、それにPGAツアーが協力して生み出したもの。SGPの数値を求めるのに、全プレーヤーの全パッティングストロークの「距離」のデータが必要だが、米PGAツアーでは、「ショットリンク」というシステムを2003年から導入していて、このデータを蓄積していたため、SGPという画期的な新指標を生み出すことが可能となった。日本の男女ツアーでは、残念ながら「ショットリンク」のような、全プレーヤーの全ショットを記録するシステムを導入していないため、SGPの算出はできない。

ちなみに、「パットイズマネー」という言葉が示すように、従来、スコアに最も貢献度が高いのはパッティングだと考えられていたが、2004年~2012年の間に米PGAツアーで優勝したプレーヤーの、優勝した試合におけるパッティングの貢献度(パット以外のストロークも全部含めて、優勝者が「稼いだスコア」に対する、SGPの割合)は、平均で約35%にすぎなかった。つまり、トッププロの場合、パット力よりも、ショット力が優勝に貢献する割合のほうが、圧倒的に高かったのである。

※SGPについては、マーク・ブローディ著「ゴルフデータ革命」(プレジデント社刊。吉田晋治訳)に詳しい。

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