上杉隆 連載コラム 「前略、芝の上から」

2011.09.22


【第67回】
「新宿パター」で会いましょう。

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(前回のあらすじ)
ジャーナリスト・上杉隆は、中学・高校時代を通じて、ゴルフに夢中な青春を過ごしていた。「大ちゃん」「イワオ」といった友人たちと、勉強を放り投げて白球を追う日々――。これは、彼と彼の仲間たちを中心とした、青春ゴルフノンフィクションだ!

ゴルフが12年来の
夢を叶えてくれた

 文筆を生業とする者にとって「出版記念会」の開催というのは特別の意味を持つ。それは、作品のお披露目の場であり、作家としての真のデビューの意味があるからだろう。

 1999年からジャーナリストとして働いている私にとっても、当初「出版記念会」の開催は小さくない意味を持っていた。

 ところが、それは文字通り「当初」となった。計約30冊余りの本を世に出してきた私にとっての出版記念パーティは永遠に開催不可能な遠い夢であったからだ。

 その理由はひとつ。すべての本の内容が、出版記念会を開くにはあまりにそぐわないもの、つまり、権力批判やひと様の批判ばかりであったからだ。

 さすがに他人を傷つけておいて、それを祝う、というのも気が引ける。よって、パーティやサイン会の類は、すべて断ってきたという経緯がある。

 ところが、そんな私に、ついに出版記念会開催のチャンスが巡ってきた。

 きっかけはやはりゴルフである。そう、愛するゴルフは、12年来の私の夢を叶えてくれるというのだ。

@takashiookawa
【告知】上杉隆さんの「放課後ゴルフ倶楽部」発売を記念して、2011年10月7日(金)18時より、新宿住友ビル47階スカイルームにて、出版記念パーティを開催します。一般応募枠もあります! 参加希望の方は、shoseki@golf-digest.co.jpまで!

 こうして、すでにツイッター上での告知は始まっている。誰も傷つけないスポーツであるゴルフは、当然にその本の中でも誰をも傷つけることはしない。いやひとりだけ例外がある。それは私自身、つまり著者の尊厳は大きく傷つけてしまっているのだ。

 だが、それもいいだろう。もとよりゴルフというスポーツは自虐の極みにある。自傷はこの競技の必然なのだ。

 さて、出版記念会の舞台はあの伝説的な聖地「新宿パター」跡地に決まった。別に伝説的ではないかもしれない。だが、ペンが滑ってそう書いた。しかも、僕たち少年ゴルファーにとっては確実にそこは伝説の地なのである。

 正確な場所を記さなければならない。まさか、屋外でパーティを開くわけには行かない。ほとんど同じ場所ながらも若干、高度を上げてもらう必要がある。西新宿に聳える高層ビル、その跡地に建つ新宿住友ビルの47階、そこが出版記念会の会場だ。


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