上杉隆 連載コラム 「前略、芝の上から」

2011.09.07


【第65回】
「松田誠司」さんのこと。

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(前回のあらすじ)
ジャーナリスト・上杉隆は、中学・高校時代を通じて、ゴルフに夢中な青春を過ごしていた。「大ちゃん」「イワオ」といった友人たちと、勉強を放り投げて白球を追う日々――。これは、彼と彼の仲間たちを中心とした、青春ゴルフノンフィクションだ!

ゴルフ仲間が刑務所に
入れられてしまった……。

 良きゴルフの友は永遠の良き友である。

 どんな立場になろうが、どんな状況になろうが、また、どんな環境に置かれようが関係ない。

 大臣になろうが、記事の批判対象となる職業に分かれようが、あるいはまた、罪に問われ刑務所に入ろうが、それぞれゴルフ仲間であることに変わりはないのだ。

 そんな大切なゴルフ仲間のひとりが刑務所に入った。刑期は2年を越えるという。シャバにいや、コースに戻るまでは700日以上もあるのだ。その間、当然ながら、このゴルフ仲間とラウンドすることは難しいだろう。

 ホリエモンこと、堀江貴文さんが長野刑務所に入っている。ライブドア社長として粉飾決算事件の罪に問われて、刑を受けている。

 ゴルフのスコアも誤魔化したことのない彼が、会社の売り上げを誤魔化すとは到底、考えられない。そう、実際は、部下のM氏の罪を被る形で入所しているのだ。詳しく書きたいが、これはゴルフコラムである。この話はここらで止めておこう。

 さて、ホリエモンは、「松田誠司」というラウンドネームを持つほどの熱狂的なゴルフ好きである。しかも、許しがたいことに、ゴルフ暦30年の私よりも、ずっとゴルフ環境には恵まれていた。

 たとえば、ゴルフジャーナリスト(仮)の私よりも、ずっと前にゴルフ本を出版しているのだ。なんという図々しい、いや羨ましい男だろう。

 ゴルファーとしての堀江さんはジェントルマンである。マナーは徹底して守る。ふざけて他人のショットを邪魔する私は、何度彼に嗜められたことだろう。

 フェアウェイでは極めて静か、しかも他人のショットまですべて記憶し、ラウンド終了後には自らのブログに反省も含めて記録している。

 地方でのゴルフもそうだ。ラウンド後、一緒に食事にまでは行くが、その途中で静かに消えてしまう。行き先はわかっている。堀江さんは次の日のラウンドに備えて、マッサージを受けに行くのだ。しかも、その後、翌日のラウンドの準備のために部屋にこもってしまう。

 それほどまでストイックにゴルフに取り組む堀江さんにもついに不幸がやってきた。このゴルフ好きからゴルフを奪うことをやってのけたのは、東京地検特捜部。狭い部屋でゴルフもできずに、もんもんとした日々をすごさなくてはならない。

 法務官僚は、せめて、長野刑務所にゴルフクラブの一本でも差し入れることを認めて欲しいものだ。


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