上杉隆 連載コラム 「前略、芝の上から」

2011.09.01


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私の初のゴルフ書に
多数の抗議が寄せられている

 ということで、少年時代のゴルフの思い出がようやく本として形になったわけだが、早速、抗議が寄せられているという。

「おれの名前が使われているのにギャラが振り込まれない」

 先週末、コミこと小宮山氏は、高田馬場のマルシメ文具店の屋上でこのように語って、筆者を批判した。

 ゴルフという神聖なスポーツに対して、すぐさま対価を求めるという浅ましい行為には驚くばかりだ。サンディ・ライルのような立派な風貌ながら、小さな報酬ばかりを求める彼には、きっとゴルフの女神が微笑むことはないだろう。ずっと静かに読書に耽ればいい。

「折れたのは6番アイアンもだ。3番アイアンだけじゃない」

 いきなり疑義を申し立ててきたのは大ちゃんだ。確かに、狭いブッシュから左打ちで強打した際、枝に当たってシャフトが曲がり、それを直そうとして3番アイアンを折ってしまったのは私だ。それは本にも書いてある。

 だが、6番アイアンは違う。断じて違う。6番は、大ちゃんが、自ら乗る自転車の車輪に挟み、折ってしまったアイアンのことではないか。罪は自らにある。にもかかわらず、私を攻撃するのはきっとギャラの額が少なかったからに違いない。

 いったい大ちゃんは何を狙っているのか。恐るべき「冤罪」をつくりあげ、アイアン2本分のギャランティを私に要求しようとしているのではないか。当時のアイアンは決して高くない。

「別にゴルフをやっていたからじゃなくて、あんたのアホさ加減に呆れたからよ」

 恐怖の反応もやってきた。本を読んだ中学時代のガールフレンドが、いきなりメールを寄越して、こう抗議してきたのだ。

 放課後ゴルフ倶楽部中学時代の私は、ひねもすゴルフにうつつを抜かして、いくばくか恋を疎かにしたのは事実だ。確かに、指摘されてみればそうかもしれない。

 だが、当時の彼女が、私のゴルフをみて別れを切り出したはずはない。

 完璧なアドレス、美しいグリップ、しなやかなスウィング、そのどこにも私を嫌いになる要素が存在しないのだ。

 では、なぜ、私は振られたのか?いったい私の何がアホだったのか。そのなぞは、本に書かれている。

 読者のみなさん、2週連続の宣伝に付き合っていただき、ありがとう。本連載は来週からいよいよ大団円に向かっていく……(たぶん)。

[ 第64回 終わり ]


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