上杉隆 連載コラム 「前略、芝の上から」

2011.09.01


【第64回】
ガールフレンドからの手紙。

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(前回のあらすじ)
ジャーナリスト・上杉隆は、1980年代、中学・高校時代を通じて、ゴルフに夢中な青春を過ごしていた。「大ちゃん」「イワオ」「コミ」といった友人たちと、恋も勉強も放り投げて白球を追う日々――。これは、彼と彼の仲間たちを中心とした、青春ゴルフノンフィクションだ!

菅内閣が終わっても、
原稿書きは終わらない……。

  夏は終わった。菅内閣も終わった。にもかかわらず、原稿書きだけは終わらない。

 時は流れ、季節も、政治も、確実に変化している。だが、なぜだろう、原稿書きだけはいつまで経っても終わらないのだ。

 実際、いまも締め切りを前に、いや正確には過ぎているが、こうやってパソコンに向かって格闘している状況だ。不思議なこともあるものだ。夏の終わり、私は、ゴルフ場にも行かず、パソコンの前に座り続けている。

 果たして、書き続けることで得られるものはなんだろうか。

 原稿料?

 いや、そこに私の求める本当の動機は存在しない。カネが欲しいのならば、誰がフリーライターなどするものか。それでは、いったい何を求めて、私は書き続けているのだろうか。

 編集者の怒りから逃れるため?

 うん。それはその通りだ。だが、それならば、単に仕事を断ればいいだけの話である。それにそもそも編集者の怒りの前に、私自身が逆切れしている。それは理由にならない。

 読者の反応を期待して?

 確かにそれはあるかもしれない。だが、それは本当の理由ではないだろう。それよりももっと直接的な事由があるはずだ。

 脱稿したときの喜び、それは、原稿書きで得られる最高の幸福である。原稿を書き終わって訪れる至福の瞬間、私はそのためだけに苦しい作業を行っているとさえいえる。

 そうした艱難辛苦の末、誕生した新しい本がある。

『放課後ゴルフ倶楽部』 (ゴルフダイジェスト社刊)

 ゴルフの先人たちが書き残したような見事なエッセーを書き残せたら、人生はどれだけ豊かなものになるのか。そんな想像を張り巡らした少年時代。そして、ついにそれは現実となったのだ。

 筆者の喜びにのみ満ち溢れた本の名は。

『放課後ゴルフ倶楽部』 (ゴルフダイジェスト社刊)

 宣伝? 

 それでもいい、何度でも書こう。さらにアマゾンのリンクも貼ってしまおう。

 みれば、アマゾンランキングも上位に位置しているではないか。もはや、なんと言われようとかまわない。私はすべてのゴルファーに感謝しながら告白したい。

 そう、私は、脱稿した喜びをこうやって表現するしか知らない不器用な男なのだから――。


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