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2011.09.15


会心のティショットは、ゴールの瞬間と同じ快感なんです

 日本代表のFWとしてフランスW杯に出場し、世界最高峰のリーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)にも挑戦。現在はサッカー解説者、スポーツコメンテーターとして引っ張りだこの城彰二さん。現役引退後に、アマ競技で活躍したお父さんへの親孝行がきっかけでゴルフにハマったという。サッカー時代からのお父さんとの秘話とともに、TV出演で共演した石川遼プロの印象、さらに親子の絆を再確認したというオススメ本について語ってもらった。

初ラウンドは父と一緒に
引退後の親孝行がきっかけです

城彰二さん ゴルフ歴は4年くらい。現役時代は暇がなかったので、引退してから始めました。きっかけは親父です。ウチの親父はゴルフが大好きで、いわゆる競技ゴルファー。トロフィの数も僕より持っているほどだから、まずまずの腕前なんじゃないかな。でも小さい頃は、TVがゴルフ番組で独占されていて、いつも不満でした。練習場にも何回か連れていかれて、ボールも打ったんですけど、当時はピンとこなくて、面白くなかった。

その親父が僕とラウンドするのが夢で、僕の引退を待ちわびていたらしいんですよ。サッカー時代はいろいろサポートしてもらったんで、「今度は親父の夢を叶えてあげよう」と、親父と回ったのが初ラウンドでした。引退直後でほとんどぶっつけ。練習もせずにラウンドしたんですが、スコアは125。自分では意外とまともなスコアだと思ったのですが、親父は「俺にはまだまだ勝てんな」なんて言っていました。素直じゃないというか、もっとほかのコメントがあるんじゃない? って感じですよね。

始めてみたら「ゴルフってこんなに面白かったんだ」と思いますね。仕事が忙しくて、なかなかラウンドできないのと、ドライバーのスライスが今の悩み。僕はヘッドスピードが52m/sくらい。パワーがあり過ぎるみたいで、どうもヘッドが遅れてしまい、大きく曲がるんです。親父からは「まずは下半身を使わずに、上半身だけで振れ。それだけ練習しろ」って言われました。サッカーって下半身じゃないですか。今も、フットワークを使ったり、体重移動すると腰が入ってしまって、とにかく曲がる。だから、しばらくは親父仕込みの手打ちスウィングを試していこうと思っています。

僕はフォワードだったので、ゴルフをしていても、サッカーでシュートを決めたときのような快感を追ってしまうのですが、ティショットで会心の当たりが出ると、ゴールの瞬間と同じくらい気持ちがいい。頭がスカッとして、思わず宙返りしたくなっちゃいます(笑)。

足で蹴ったほうが
パットのタッチが出るんです

サッカーに比べると、ゴルフはよりメンタルが重要で、プレーヤーの性格が出やすい。僕はサッカーでは緊張しない方だったんですが、ゴルフはものすごく緊張する。とくに朝イチのティグラウンドで、ほんの数人でもギャラリーがいて、シーンと静まりかえられると、ついつい力んじゃいますね。サッカーでは何万人の観衆の前でも平気だったんですけど(笑)。パットも、バーディパットだったりすると、ほんの1メートルでチョロったりとか。サッカーで修羅場をくぐってきたっていう自信があったんで、「意外とメンタルの弱い人間だったんだな」ってショックでしたよ。

よく一緒にゴルフをする福西君は「芝の上の球技ということで、サッカーと似ている」と言っていますが、僕はまったく違う意見。同じ芝でも、ボールが止まっているのと、動いているのは大違い。どっちが難しいかというと、動いているボールを蹴るより、止まっているボールを打つ方が断然難しい。最初は簡単だと思ったんですけれどね。ボールに回転を掛けたりする理屈は一緒なんですが、手で道具を操るとなると、イメージ通りに体が動かないんです。

あるラウンドで、ぜんぜんパットが入らなかったときに、キャディさんが「足で蹴ったら入るんじゃないですか?」って冗談を言って、周りも「やってみろ」と言うんで、3メートルくらいをトゥキックで蹴ってみたら、ナイスイン! どうも、足だとタッチが出やすいようです(笑)。今、知り合いの方がヘッドがスパイクの形のパターを企画中で、それなら僕もいいイメージが湧くかなって、出来上がりを楽しみにしています。うまくいったら、サッカー仲間にも勧めてみようかな。

ゴルフとサッカーで似ているのは、どちらも女子が世界の高いレベルで活躍しているところかな。「なでしこ」はすでに世界を制したけれど、ゴルフでも宮里藍ちゃんを先頭に、女子ゴルファーが世界大会で頑張っていますからね。プレッシャーに負けずに立ち向かうひたむきさは、いま、女子のほうが強いのかもしれません。


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