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2011.02.15


ボールを見ると"業師"になります

 80年代後半から90年代にかけて、球界を代表するサウスポーとして活躍した阿波野秀幸さん。しなやかなフォームから放たれる快速球とマウンド度胸で鳴らした左腕エースは、右打ちからゴルフをスタートした。球技のボールなら何でも、その回転を操ろうとしてしまうのは、ピッチャーならでは。最近は、苦手のドライバー克服のため、若林貞男プロのZ打法を研究。その成果と合わせ、熱く語ってくれた。

ゴルフは右打ちで始めたけど……
やっぱり球技はサウスポーかな

阿波野秀幸さん 初めてのゴルフはプロ入り1年目のオフ、23歳のとき。始めたとはいえ、現役時代、ゴルフができるのは、オフの2ヵ月間くらいだけ。それでも年間20~25ラウンドは回っていました。当時はバブル時代だったということもあって、コンペのお誘いがすごく多くて、そこにプライベートのラウンドを入れると、平均週3回はラウンドしていましたね。

たまにゴルフトーナメントばりに、4日連続ゴルフなんてこともありました。2日連続でやったりすると、3日目は朝起きるのも辛く、プロゴルファーになったつもりで「あぁ、予選落ちしたい~」なんて冗談を言いながらコースに行ってました。

実はゴルフを始めた最初の5ヵ月は、右打ちだったんです。僕は、野球は左投げ・左打ちで、おハシも左。字は右手です。ゴルフを始めるにあたって自分でいろいろ調べると、ゴルフの世界は道具も練習場の打席も右打ち中心に作られている。コースでさえ、右打ちに有利な設計があると聞いて「ゴルフは右しかない!」と。ところがアイアンが何番で打っても飛距離が一緒だったり、ドラコンホールで全く勝負に参加できなかったりで、左打ちに転向しました。ゴルフは長時間プレーするスポーツだから、楽しいほうがいい。それに「球技は左」が阿波野流。ならその我流を極めてやれ、という意識もありましたね。

飛ばしよりショートゲーム
グリーン周りは僕の舞台

阿波野秀幸さん 元プロ野球選手ということで相当飛ばすんだろうと思われがちですが、ドライバーはだいたい260ヤード前後。決して飛ばし屋ではありません。

飛ばしよりも、昔からボールを見ると、業師になろうとする傾向があります。例えば、ビリヤードでも普通に打てばいいのに、あえてクッションを使って狙う。パターだったら、わざとサイドスピンをかけて、ラインを殺す。グリーン周りであれば、ウェッジよりも、7番や9番を使って、いろいろな寄せ技にトライする。いつも技巧に走ってしまいます。だから、グリーン周りで、キャディさんが当然のようにAWとSWしか持ってきてくれないと、つい不満が口をついて出て、キャディさんを怒ってしまうことも。いつも反省はしているんですが……。

これでも、プロ時代は「阿波野はクール」と言われていましたが、実は内面では感情の起伏が大きいんです。「クール」は野球時代に意識して作ってきたスタイル。三振取ると、内心はすごくうれしいのに「当然でしょ」みたいに装っていました。

大学卒業後プロ入りしたのが、コテコテの大阪の球団、近鉄バファローズだったというのも大きいですね。僕は神奈川出身で、関西方面にはまったく縁がなかった。それだけに最初は「すかした奴」という印象を大阪のファンに与えていたようです。でも、「それならすかした奴で通してやれ」と、若かった分、つっぱっていました。でもゴルフの時は正反対になってしまう。野球ではできるのに、ゴルフは気持ちのコントロールが難しい。不思議ですね。


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