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2010.04.15


100を叩くと、将棋に影響しちゃうんです

 積極果敢な攻撃将棋で、数多くの熱戦を展開する佐藤康光九段は、ゴルフでのリフレッシュが棋士としてのエネルギー源だという。 そんな佐藤九段が、ゴルフだけなく将棋にも参考になったという本を紹介してくれた。それは、テレビでも話題になったプロの人気レッスン書。ゴルフと将棋にどんな共通点があるのだろう?

棋士はチームプレーよりも
個人競技が得意!?

佐藤康光さん ゴルフを始めたのは、初タイトル(竜王位)を取る前年の23歳のときです。当時、将棋連盟の野球部に入っていたのですが、合宿をしていた球場の隣にゴルフ練習場があって、仲間と「ちょっと行ってみよう」ということになりまして……遊び半分で打ってみたら、これがなかなか当たらない! でもたまに当たると、それがとても気持ちよかったんです。

それからは、ゴルフ一筋。棋士は私を含め、基本的にチームプレーよりも個人競技が好きなので、あっという間にゴルフにはまり、ほどなく野球部は辞めました。

ゴルフは、自分の目標スコアに挑むのが面白いですね。私のゴルフのボーダーラインは100。だから、100以上叩くと悔しくて、棋士としての日常に戻るのがすごく難しくなるんです(笑)。“精神の健康”のためにも、コンスタントに90を切れるようにしたいですね。

プロ棋士になるためには、“奨励会”というプロ養成機関に入るのですが、ここでは月二日の対局があるだけで、あとは「自分で強くなりなさい」というスタイル。だからそれぞれ独自の勉強法や上達法を持っていて、自信を持っているものなんです。そんな傾向がゴルフにも出ているようで、私のゴルフは全て我流。毎週、きっちりスクールに通ってゴルフが上手くなったという棋士は、まずいません。でも今考えると、基本くらいはきちんと習っておくべきでした。

極限状態でも実力を発揮するために
2メートルパットで精神修養

佐藤康光さん 棋士のゴルフは、将棋のスタイルと似る傾向にあるようです。私の将棋は攻撃型で、序盤からリードを奪って逃げ切るタイプなので、ゴルフも第一打をドライバーで攻めるのが好きですね。あるレッスン書には「成功の確率が2~3割程度のショットを選択してはいけない」と書かれていましたが、競技をしているわけではないので、楽しんでチャレンジ精神を発揮させていただいています(笑)。

ただ、楽しむだけでなく、ゴルフの中で精神修養することもあります。特に効くのが、2メートル位のパッティング。難しい距離ですが、私レベルのアマチュアにとっても「手に負えない」という距離でもない。この距離は、技術的なことよりメンタル的な要素が強いと思うのですが、「これは絶対に入れなきゃ駄目だ」と、逆にわざと自分にプレッシャーをかけることにしています。

そうすると、手が思うように動かなかったりもしますが、対局以外の日常でこういうプレッシャーを感じることが少ないので、よい機会。勝負所と思い臨み、このパッティングを修練だと思うようにしています。

ショットの力量は予測不能ですが、2メートル位のパットは将棋でいうと「相手の玉の詰みを読み切れる場面」。「読み」「集中」「実行」という精神作業の部分に、将棋との共通点を感じます。


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