名手・達人の言葉

2015.03.10

戸田藤一郎

1939年(昭和14年)、戸田は日本オープン(廣野GC)、関西プロ(大阪GC淡輪)、関西オープン(鳴尾GC)と勝利し、年間4大公式試合制覇へ、あと残るは日本プロ(川奈ホテルGC)のみ。

3試合とも12歳年上の老雄、宮本留吉との一騎打ち的闘い。日本プロもその様相を呈した。

その頃の日本プロはマッチプレー、16番で戸田がとると勝利する状況。名物の砲台16番、宮本はピン2メートルに1オン。戸田はショートして手前の坂下に。

戸田の位置からはピンは見えない。戸田はボールとグリーンの間を駆け上がり、駆け下りすること数度。

宮本はイライラして「早う打たんかい!」と怒り出す。それを訊いて戸田は表題の「言葉」を吐いて「さあピンにくっつけまっせ!」と言葉通りベタピン。

動揺した宮本は1パットで沈められず、戸田の駆け引きが功を奏して4冠王となった。

■戸田藤一郎(1914~1984年)
10歳から甲南GCのキャディとして働きながら、見よう見まねでゴルフを覚える。廣野GCが創立されると同時に移籍。18歳でプロの資格を得て、19歳で初優勝を飾る。35年には全米オープンに出場。W・ヘーゲンの回顧録に、「日本からきた6人のなかで素質抜群、外国勢のなかでも最極上」と記されている。39年には日本オープン、日本プロ、関西オープン、関西プロを獲り、年間グランドスラムを達成。圧巻は63年の日本オープンで25年ぶりに2回目の優勝を飾ったこと。71年には57歳で関西オープン7回目の優勝を果たすなど、38年の長きにわたって第一線にいた。

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