名手・達人の言葉

2014.02.05

極限の緊張で心も体も震える。この震えが僕は愉しいし、どんなに素晴らしい気持ちか他人にはわからないだろう。

カイトのニックネームは「ミスター・コンシステンシー」(堅実さでは右に出るものはないという意味)。無謀な攻めは徹底的に排して、1打1打確実に積み上げていくタイプ。1981年、たった1勝だけだったが賞金王になったのも、この手堅さあってのものだった。
派手さがないから、そのプレーぶりは退屈に見えるが、パープレーを旨とするゴルフの正統性を愛するファンからは支持された。その正統性を具現化したのが1992年、ペブルビーチで行われた全米オープン優勝だろう。

派手なガッツポーズもなく、静かに淡々とプレーするカイトだが、実は鎬(しのぎ)を削る闘いに歓びを感じていたとは、確かに“他人”にはわからなかった。

この震え、恐れを感じていたからこそ、極限の状況でミラクルショットが出たとも、カイトはいった。もしそれを感じていなければ凡庸(ぼんよう)なショットしか生まれなかったと。

 

【プロフィール】
■トム・カイト(1949年~)
ジュニア時代から名をはせ、テキサス大学では名コーチ、ハービー・ペニックの秘蔵っ子(ベン・クレンショーとともに)として順調に成長。ツアーに参戦して通算10勝。堅実なゴルフで2度の賞金王(1981年、1989年)に輝いている。メジャーは全米オープン(1992年、ペブルビーチGL)1勝。またライダーカップには(1979年~1993)7回出場。1997年にはキャプテンもつとめる。04年、ゴルフ殿堂入り。

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