名手・達人の言葉

2014.01.29

自分の体が緊張にどう反応するのか知って、そこから先の対応力が勝負を決する。

ワトソンの「言葉」には歯切れがある。形容詞が少なく論理的で、簡潔なワードで要点をズバリと表現する。難関・スタンフォード大学を卒業していて、もしプロゴルファーにならなかったら、弁護士になっていただろうといわれる所以だ。

表題の「言葉」は、全米オープン(1982年、ペブルビーチGL)に勝ったときのことを分析して語ったもの。

ペブルビーチの18番、左サイドはグリーンまで海が迫っていて、プレッシャーのかかる最終ホールとして幾多のドラマを生んでいる。ワトソンは17番パー3でチップインのバーディを奪って単独首位に立ち、その重圧はいやがうえにも高まっていたに違いない。

このとき、ワトソンは自分の心と体を冷静に「今、自分はアドレナリンが噴き出ているはず」と分析。そしてドライバーより正確性のあるスプーンをチョイス。そのクラブでもアドレナリンのせいで、距離もドライバーと変わらないはずと判断したわけだ。

そのもくろみ通りのショットを放ち、ワトソンは帝王ニクラスを破り、新帝王の道へと歩き出すのである。

 

【プロフィール】
■トム・ワトソン
(トーマス・スタジェス・ワトソン)(1949年~)
米国・ミズーリ州カンザスシティ生まれ。スタンフォード大学時代は勉学に力を注いだのか、これといった成績は残していない。71年プロ入りと同時にツアー参加。ツアーでの勝利39。メジャーは全米オープン1勝(82年)、マスターズ2勝(77、81年)、全英オープン5勝(74、77、80、82、83年)計8勝。帝王二クラスを継ぐ新帝王といわれるまでになったが、極度のイップスに襲われ、全米プロはとれず、グランドスラマーにはなっていない。シニア、他の勝利を加えれば55勝をこえる。知性派として知られ、88年にはゴルフ殿堂入りも果たした。

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