名手・達人の言葉

2013.02.06

ゴルフのたのしみの一つは、新しい同級生を得た喜びだよ。――吉川英治

吉川英治は以前214回にもとりあげたが、表題の「言葉」も、いかにゴルフが愛おしいかという気持ちが溢れている。

吉川がゴルフを始めたのは60歳の時。座りっぱなしの執筆生活で、最初は2~3ホール回る体力しかなく、旧軽井沢ゴルフ倶楽部の早朝ゴルフで還暦の体を鍛えたという。

それからはゴルフに熱中。「吉川は小学校を出るか出ないかで働き始めたので、まるで学生に返ったようだったんでしょう」とは、おしどりゴルフで知られた文子夫人。

「見事なティショットを決めた時は、右手で持っていた鉛筆を煙草と間違えそうになった……」と友人の画家・宮田重雄は述懐している。それほど純粋にゴルフを愉しんだのであろう。

吉川の誕生会に端を発した軽井沢の文壇ゴルフ大会。当時文壇の中核、石川達三、佐佐木茂索、川口松太郎、今日出海、石坂洋次郎らとのコンペ風景が、セピア色に沈んで写真に残る。まだ文壇というものが確固とした地位を占めていた頃のことである。

表題の「言葉」は『吉川英治人生語録』のなかの一節だが、まだたくさん残されているのでいずれかの機会に紹介しよう。

 

■ 吉川英治
(よしかわ・えいじ 1892~1962)
神奈川県生まれ。船具工、象眼職人など様々な職業を経て、出版社、新聞社に懸賞小説を送り、次第に大衆小説作家として認められるようになった。「鳴門秘帖」で世に出て、「宮本武蔵」「新・平家物語」「私本太平記」の成功で国民文学作家と呼ばれた。1960年文化勲章受賞。ゴルフは還暦直前に始め、夫人を伴ったラウンドでおしどり夫婦ゴルフと呼ばれた。京都の城陽CCでのハンディキャップは28。夫人も同じく28だったという。

 

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