名手・達人の言葉

2012.10.17

真っ直ぐな球ほど信用できないものはない。――林由郎
林はプロ入りした頃はフック一筋でガンガン飛ばしていた。ところが、当時トップにいた宮本留吉、戸田藤一郎とエキジビションでラウンドした折り、左足下がりのライでのショットを何と空振り。フック打ちには苦手なライであった。

試合後、戸田にアドバイスを受けてスライスの球筋習得に一念発起。林を大成させる源となったのだ。

その頃の林の「言葉」だ。

「ボールのイメージというのは曲線が描きやすい。フックめとか、スライスめとかいうけど、ストレートめとはいわないだろ。どうやって打ったらストレートになるか、そのスウィングのイメージがわかないからだ」に続いて、冒頭の「言葉」とつながるのだ。

今年、パワーフェードで知られる43歳の藤田寛之が、賞金王を狙う位置にいるが、彼も同じことをいってる。

「ストレートで狙うと思ったことは一度もありません。人間である以上それは不可能。曲げて計算するのです。それはパットでも全く同じです」

名手の「言葉」は受け継がれていく――。

 

■林由郎(はやし・よしろう 1922~2012)
ゴルフは10歳の頃、自宅近くの我孫子GCでキャディのアルバイトをしたのがきっかけ。プロ入りは昭和13年、16歳の時。だが戦前はプロ活動はほとんどなく、兵役にとられた。戦後になって、才能は一気に開花。戦後再開の公式戦、関東プロ、日本プロ、日本オープンの3戦をとり、一躍、中村寅吉とともにプロゴルフ界興隆の担い手となった。その後も順調に実績を重ね、日本オープン2勝。日本プロ4勝。関東オープン、関東プロ各2勝。ワールドカップへも参加。青木功、尾崎将司、尾崎直道、飯合肇、福嶋晃子など賞金王、女王を育てた名伯楽として知られる。七色の球筋を操り、我孫子弁での朴訥(ぼくとつ)なレッスンも評判を呼び、一世を風靡した。 2012年1月2日、老衰のため死去。

 

ゴルフ名言集へ ≫≪ ゴルフコラムTOPへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

運営会社 | プライバシーポリシー