名手・達人の言葉

2012.06.06

あれで脳みそが空っぽなら、今頃ゴルフ教師なぞしなくても左うちわで暮らせたのにな。――ウォルター・ヘーゲン→トミー・アーマー
この「言葉」の裏には伏線がある。

ヘーゲンは口癖のように「大きな手、足を持ってて、脳みその空っぽなやつを俺のところへ連れてくれば一流にしてやれるのだがな……」といってたものだ。

そして、ヘーゲンは大西洋の船中でゴライアス(巨人)のような手をした25歳のアーマーと知り合い、弟子にした。

アーマーはヘーゲンが見込んだ通り、当代一流のプロとなった。しかも大学を出て、聡明であったアーマーはクラブ製作、ベストセラーになった技術書も書き、米国最高のインストラクターと評されたのだ。

ヘーゲンは「それが玉にキズなのさ……」と表題の毒舌へとつながっていく。

無頼派でキングと謳われた師匠のヘーゲン、インテリでスタイリストの弟子、アーマー、対照的な2人の面影を彷彿(ほうふつ)とさせる「言葉」であろう。

 

■ウォルター・ヘーゲン(1892~1969年)
米国・ニューヨーク生まれ。ツアーだけで生計を立てた最初の人で、プロゴルファーの地位を高めたと評価されている。真っ白なロールスロイス、白いタキシード姿で現れ、車で着替えをしたのは、当時クラブハウスに入れなかったプロの地位への反抗だったのだろう。ゴルフの技術は天才的で「ピアニストのタッチと、金庫破りのデリケートさを持った男」と評され、一世を風靡した。全英オープン4回、全米オープン2回、全米プロ5回制覇し、メジャー優勝回数は歴代3位の実績を誇る。ボビー・ジョーンズとはまた違う次元で、ゴルフ史に大きくその名を残している。

 

■トミー・アーマー(1895~1968年)
スコットランドのエジンバラ生まれ。高校時代から才能を発揮し、18戦17勝の記録が残っている。20年フランスアマに優勝。24年米国でプロ転向。27年全米オープン、30年全米プロ、31年全英オープンを獲り、シルバー・スコット(いぶし銀のスコットランド人)と呼ばれた。アマ時代に英米アマ対抗戦ウォーカーカップの英国代表、プロではライダーカップの米国代表に選ばれるという偉業もなしとげた。頭脳明晰でクラブ設計、製作にも情熱をそそぎ、ニックネームの「シルバースコット」の名で売り出され、伝説的名器として今に残っている。

 

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