名手・達人の言葉

2012.01.11

“後の先”をとって勝つ。――杉原輝雄
杉原はゴルフ人生を通じて、“ツアー1飛ばないプロ”であった。しかし、全盛時代はAON(青木、尾崎、中嶋)の才能豊かな3強を向こうに回して、永久シードをとるほどの実績を残した。

表題の「言葉」はそんな非力な杉原の“小よく大を食う”秘訣の一端である。

杉原は2打目以降、当然一番先に打つ。その時、自分の技術を駆使して必ずグリーンに乗せておく。乗らないまでもパーにできるエリアに置いておく。相手を上回るスコアは必要ない。並ぶだけでいいのだ。

これを連続すると、飛ばし屋ほど焦って崩れてくる。というのも、飛ばし屋は飛んだという優越感があるので、同じスコアだと損をしているという気持ちになるからだ。しかも持つクラブが2~3番手違うとすればなおさら。これが“後の先”をとっていき、相手の優越感を逆手にとって、小が大を食う戦法だと杉原は言っていた。

アプローチ、パットの技術も卓越していて、“グリーンの魔術師”などと称され、勝負強さは天下一品。その存在感で“日本プロ界のドン”とも呼ばれた。

晩年は前立腺ガンとの闘いであったが、2011年暮れ、74歳で没。合掌。

 

■杉原 輝雄(すぎはら・てるお 1937~2011)
大阪府生まれ。茨木CCに就職し、夜間高校に通いながら研修生としてゴルフを覚える。小柄で飛距離が伸びず苦労したが、両腕の五角形を保ったまま手首を使わない独特の打法で、正確無比な技術を手に入れていく。AON(青木、尾崎、中嶋)時代に対峙して、レギュラーツアー54勝、海外(香港オープン)1勝、シニア8勝をあげている。永久シードも獲得。1997年に前立腺がんと診断されたが、現役にこだわり手術はせず、ツアーには積極的に出場。2010年4月29日、中日クラウンズに出場し、同一大会連続出場の世界新記録を樹立したが、翌2011年の同大会へは体調不良の為参加を見送り、記録も途切れた。この年、スポーツ功労者文部科学大臣顕彰を受ける。74歳で没。

 

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