名手・達人の言葉

2011.11.02

グリップは手だけのものではない。アドレスでの両足の“グリップ・オブ・ザ・グラウンド”は、手にまさるとも劣らない重要な要素なのだ。――ウォルター・ヘーゲン
強烈な個性を持ち、ボービー・ジョーンズが「球聖」ならば、ヘーゲンは「プロのなかのプロ」と呼ばれた。

ヘーゲンは卓越した技術を持ちながら、不思議なことに、自伝は上梓しているが技術書の類は一冊も遺していない。だから表題の「言葉」は珍しい。これは1923年『ゴルフマガジン』に載ったヘーゲンのレッスン「ウオッチ・ユア・スタッズ」の中での一文。

ヘーゲンのスタンスは、広いことで知られていた。スタンス幅は肩幅というのが基本とされていたが、ヘーゲンのそれは肩幅よりだいぶはみ出していた。上半身のスウィングを大きくするには下半身の安定が絶対必要ということで、両足が「地から生えた」ようなスタンスをとるべきだと表現している。

ヘーゲンのビッグドライブは、広いスタンスから生まれたのである。

 

■ウォルター・ヘーゲン(1892~1969年)

米国・ニューヨーク生まれ。ツアーだけで生計を立てた最初の人で、プロゴルファーの地位を高めたと評価されている。真っ白なロールスロイス、白いタキシード姿で現れ、車で着替えをしたのは、当時ハウスに入れなかったプロの地位への反抗だったのだろう。ゴルフの技術は天才的で「ピアニストのタッチと、金庫破りのデリケートさを持った男」と評され、一世を風靡した。全英オープン4回、全米オープン2回、全米プロ5回制覇し、メジャー優勝回数は歴代3位の実績を誇る。ボビー・ジョーンズとはまた違う次元で、ゴルフ史に大きくその名を残している。

 

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