名手・達人の言葉

2011.05.11

セベはほとんど完璧なゴルファー。大トラブルに見えても彼にとっては大した問題じゃないんだ。――ベン・クレンショー
いうまでもないことだが、今回の主役はクレンショーではなく、セベ・バレステロス。2008年に脳腫瘍で倒れ、長い闘病生活の末、2011年5月7日、故郷ペドレニャの自宅で逝去。まだ54歳の若さだった。

その死を悼み、多くの名手達が「言葉」を残している。

例えばL・トレビノは「ニクラスにはパター。俺には飛距離。ゴルフの神様は必ず一つの欠点を与える。ただしセベ以外は」と。

しかし、中でもクレンショーの「言葉」が、いちばんセベのゴルフを言い当てているように思えるので取り上げた。

79年、全英オープン最終日16番。ティショットは右に大きく想定外の曲がりで、ボールは臨時駐車場の車の下。グリーンすら見えない状況からなんとピンまで4メートルの位置につけ、バーディ!

80年、マスターズ2日目17番。これまた想定外の曲がりで7番グリーンへオン。そこからグリーン外へドロップし、7番アイアンで打たれたボールは17番グリーン、ピンまで5メートルの位置へオン! これまたバーディをもぎ取るのだ。

その時の「ウォー!」という地響きのようなパトロンの感嘆が、観戦記者だった筆者の耳の奥にいまなお残っている。

そしてマスターズのそれまでの史上最年少記録(後にT・ウッズが記録更新)を塗りかえ優勝してしまうのだ。

トラブルからの神懸かり的ショットでメジャー5勝を含む全世界で91勝をあげ、攻撃的ゴルフで記録にも記憶にも残る名手だった。合掌。

 

■セベ・バレステロス(1957~2011)

スペイン・カンタブリア州ペドレニャ生まれ。若い頃はボートでオリンピックに出たという羊飼いの父親の家に生まれた。貧乏な村で、セベは兄達とともに小遣い稼ぎにキャデイを始め、自然にゴルフに親しんでいった。天分は早くも17歳で開き、プロ入り。欧州ツアーを主戦場にして活躍。スイス、オランダ、ドイツなど各国のナショナルオープン、そして無論スペインオープンにも勝利。日本オープンは77年、78年と連覇。欧州ツアー50勝、PGAツアーはマスターズ(80、83年)、全英オープン(79、84、88年)を含め9勝、全世界で91勝をあげる。母国ではマイナーだったゴルフをメジャーに押し上げた功労者でもある。2011年5月7日、54歳、脳腫瘍で没。

 

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