名手・達人の言葉

2010.12.15

赤星四郎、六郎両君から指導された経験より、根本の理論を説明しながら、初歩の手ほどきをする。――白石多士良
白石多士良は、日本で最初のゴルフ教本を書いた人で知られる。

昭和6年(1931年)、目黒書店というスポーツ専門出版社から、その書名もズバリの『正しいゴルフ』を上梓した。200ページに及ぶ技術解説は、当時、ゴルフレッスン本など影も形もなかったので、上流階級のゴルファーの間で大変な評判を呼んだ。

白石は、ゴルフの腕前は日本アマや東西対抗に出るほどの腕前ではあったが、持論・自説は全く開陳していない。

「僕には、入るに易く、達するに難しいとされるゴルフの奥義を説明する資格はない」と序文にあり、表題の「言葉」がそれに続いている。

米国より最新のゴルフ理論を持ち帰った赤星四郎、六郎兄弟の薫陶を得て、当時のトッププロ宮本留吉、浅見緑蔵、陳清水などの写真を模範にし、本人は悪い例のモデルとして登場している(宮本らは赤星六郎の指導を得て、プロとなった)。

白石は東大工学部を出た、当時の日本の土木工学の最高権威であった。アメリカ留学したときに赤星兄弟と知り合い、一高時代から打ち込んだ野球よりゴルフへ転向したといわれる。

現在、ゴルフレッスン本は巷にあふれているが、それだけゴルフは白石の言うように“達するに難しい”ゆえであろう。
(参考文献 『日本ゴルフ協会七十年史』)

 

■白石多士良(しらいし・たしろう 1887~1954)

元東京ゴルフ倶楽部常務理事。東京大学工学部卒業後、米国留学中に赤星四郎、六郎兄弟の薫陶を受け、トップアマチュアとなり、昭和初期の東西対抗などで活躍。1931年、赤星兄弟指導の技術論をまとめ『正しいゴルフ』の書名で出版。日本人の書いた、日本人のためのいちばん最初のゴルフレッスン本となった。本業は当時の日本の土木工学の第一人者。

 

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