名手・達人の言葉

2010.10.06

一度気を抜いたゴルフをすると、それが癖となって、いざという時に悪さをしてしまうんや――杉原輝雄
ゴルフへの姿勢というテーマで前々回、前回と続けたら、そういえば杉原輝雄もこういっていたと思い出したのが今回の「言葉」である。

試合で下位にいてラウンドすると、順位がちょっと上がっても賞金はそんなに差がなくなる。すると、「まあいいや」と気の抜けたショットをしがちになる。

しかし杉原はそれだけは絶対しなかった。一度でもいい加減なショットをしてしまうと、緩んだ体が“楽”なことを覚えてしまって、癖になり(いい癖はなかなか身につかないが、悪い癖は一度で身についてしまう)、次の試合に出てしまったり、大事な場面で出てこないとも限らないというのだ。

杉原がこんな考えに至ったのは、時の強豪グラハム・マーシュのラウンドを見たのがきっかけだった。

下位で一緒にラウンドしていたが、最終ホールで最後のパットをそれこそ“真剣”に読んで入れた。杉原は「そんなもん、入れたって順位変わらんがな、早うせい……」と思っていた。

そして次の週――。マーシュは優勝してしまうのだ。杉原はその最後のパットが“効いた”としか思えなかったという。

どんな場合でも気を抜かないゴルフの大切さを思い知った杉原の感受性が、表題の「言葉」を生んだのである。

 

■杉原 輝雄(すぎはら・てるお 1937年~)

大阪府生まれ。茨木CCに就職し、夜間高校に通いながら研修生(当時の呼び方は違ったが)としてゴルフを覚える。小柄で飛距離が伸びず苦労したが、両腕の五角形を保ったまま手首を使わない独特の打法で、正確無比な技術を手に入れていく。AON(青木、尾崎、中嶋)3強のパワーゴルフの時代に対峙して、レギュラーツアー54勝、海外(香港オープン)1勝、シニア6勝をあげている。約10年前、前立腺ガンと診断されたが、独特の加圧式トレーニングによってガンと闘い、トーナメント出場への執念とゴルフの啓発活動に積極的に取り組んでいる。

 

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