名手・達人の言葉

2010.05.12

アマチュアの皆さんは、あまりに素振りを軽視している。――河野高明
 

 4月下旬、桜が散り終えるのを待つかのように、秋田の地にて河野高明氏逝去。肝臓癌、70歳であった。岩盤浴で名高い玉川温泉で、一縷の望みをかけ湯治している矢先の出来事だった。

 162センチ、60キロの小柄な体で、決断早く歯切れよいショットで攻めるゴルフスタイルは、きかん気、負けず嫌い、燃ゆる闘志があったればこそだったろう。

 そのゴルフスタイルが、1969年から5年連続で出場した米国マスターズで遺憾なく発揮され、イーグル4個に昇華し、パトロンは“リトル・コーノ”と愛着を持って呼んだ。初出場で13位の成績は、それまでの外国人出場者での新記録だった。

 小柄な体で飛距離を出すために、独特のループスウィングを創案した。

 河野の勝負強さを示すエピソードといえば、筆者にも経験があるが、試合宿舎での麻雀。攻めの雀風ながら、引く時は引き、めっぽう勝負強かったことを思い出す。

 表題の「言葉」も、筆者が週刊誌でのレッスン取材に行った時に聞いたものだ。毎日欠かさない素振りがいちばんの先生だと。素振りがその人のベストスウィングだとも言っていた。そして最後に、やはり日頃の地味な積み重ねが大事なんだと、河野は締めた。

 早や過ぎる死に、合掌。

 

■河野高明(こうの・たかあき 1940~2010)

父親が程ヶ谷CCで働いていた関係で、子供の頃から弟・光隆とともにクラブを握り、キャディを経て59年プロ入り。杉本英世、安田春雄とともに“和製ビッグスリー”として、ジャンボ尾崎以前のプロゴルフ界を牽引した。68年日本オープン制覇など、優勝回数17回。69年から5年連続マスターズに出場して、初出場13位はそれまでの外国人出場者で新記録。また4つのイーグルをもぎとるなど大活躍。162センチ、60キロの小柄な体躯、パトロン達は“リトル・コーノ”と愛着をこめて呼び、マスターズでの人気者となった。日本プロゴルフ協会理事を経て、2010年に肝臓癌で没。

 

ゴルフ名言集へ ≫≪ ゴルフコラムTOPへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

運営会社 | プライバシーポリシー