名手・達人の言葉

2010.03.03

コース設計では、プランニングがしっかりしていなければ、いくらデザイニングがよくてもいいコースにはならない。――井上誠一
 

 井上が設計し、今も現存するのは全国で38コース。そのどれもが名コースとして知られているが、唯一気に入らなかったコースが一つあるというのはゴルフ界では有名な話。

 あえて名前は出さないが、なぜ気に入らなかったというと、表題の「言葉」のなかでいう“プランニング”が設計家・井上の考えていることとは違っていたからだ。

 ハウスや駐車場の位置が、プランとは違っていたし、当初あったハウスそのものの設計も気にいっていなかった。コースレイアウトも、現在のアウトとインが逆だったという。
 もちろん、コース造成には設計家の理想ありきではなく、さまざまな要因で変更はありうる。井上はその点では柔軟であったのだが、よほど造成段階で最初の構想が変更されたりという感情のボタンの掛け違いがあったのだろう。

 自分が設計したコースは我が子も同じで、その後も各コースを足繁く通ったが、そのコースだけは足を向けなかったのは設計家・井上誠一の矜持(きょうじ)であった。

 

■井上誠一(いのうえ・せいいち 1908~81年)

東京の裕福な医者の家に生まれた。高校時代、大病を患い静養を兼ねてゴルフを始め、療養先・静岡県川奈に英国人設計家チャールズ・アリソンと出会い、設計家の道を目指すことになる。というのも、井上が会員だった霞ケ関CCの改造を、アリソンの弟子であるジョージ・ペングレーと行い、そこで自然を大事にする設計の何たるかを、土にまみれながら知ったといわれている。設計コースは、国内38、海外2コース。代表作は霞ケ関CC西コース、大洗GC、日光CC、愛知CC、札幌GC輪厚コースなど。自身のゴルフは霞ケ関CC・HP12。

 

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