名手・達人の言葉

2010.01.06

パッティングでは、ボールにキスしてる時間を長くしなくてはダメなのさ。■リー・トレビノ
 

 トレビノはふだんでも速射砲のごとく、ジョークをまじえてしゃべり続ける。このことはこれまで何度か紹介したが、そうなった原因というのが、人に質問させないためだったとはいう。

 メキシコ国境に近い、テキサス州エルパソの極貧家庭に育ち、人種差別に苦しみながらキャデイを経て、賭けゴルフで生活する身。それが全米オープンで勝った次の日から、人生は栄光へと一転する。

 全くの無名だったのだから、マスコミを始め、まわりの人々はその出自を質問攻めにしたのは当然のことだったろう。

 その質問を封じるには、自分がしゃべり続けること。それも相手が耳をそば立てて聞き入るくらいの“おもしろさ”があれば、質問することも忘れてしまうだろうと、トレビノは考えたというのだ。

 表題の「言葉」もまた耳をそば立てるくらいに、ジョークとエスプリにみちている。

 パッティングではヘッドをまっすぐにフォローを出して、インパクトゾーンを長くとれといってるわけだが、トレビノにかかると、相手がニヤリとする「言葉」に脚色されるのである。

 現在、トレビノは辛かった少年時代を過ごした故郷エルパソに戻り、豪邸に2番目の妻と平穏に暮らしている。

 

■リー・トレビノ(1939年~)

米国・テキサス州生まれ。母親と祖母に育てられたトレビノは、家計を助けるため、小学生の頃からショートコースで働いていた。見様見まねでゴルフを覚え、当時は極端なフックボールを打っていた。しかし、60年、ベン・ホーガンの練習を見てからフェードヒッターに改造し、プロ入り。兵役で沖縄の基地にいて、レッスンプロをしていたこともある。65年テキサスオープン優勝。その後も故郷テキサス州エルパソでレッスンプロをしていたが、67年に夫人が内緒で全米オープンにエントリーし5位となり、翌年に優勝。ツアー通算29勝、メジャーは全米オープン、全米プロ、全英オープンを各2勝ずつで計6勝を挙げる。マスターズだけ獲っていないのだが、白人優越主義の強かった時代であり、積極的に出ようとはしなかった。

 

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