名手・達人の言葉

2009.11.25

私のルールの一番目は「方向がバラバラの飛距離は、全く飛ばないより悪い」です。――ナンシー・ロペス
 

 ドライバーショットは、スコアを積み上げるショットの過程での一要素に過ぎないのに、多くのアマチュアはこのドライバーの飛距離に拘泥する。

 18ホールで概ね14回ドライバーを手にするが、例えばパターは1ホール2回使うとしても、36回も打つことになる。しかし、パターの練習には冷淡だ。

 14回のドライバーの飛ばしに、全ショットの3分の2くらいの精力を注ごうとする。それも常にマン振りして自分の最大飛距離を出そうと躍起になる。

 ここでちょっと考えてほしい。プロの振りは決して100パーセントではない。ふだんは7~8割の力でコントロールしている。そして、せいぜい9割の力で振るのがプロのマン振りだ。

 なぜそうするのか? 答えはひとつ。曲がるからだ。いくら飛んでも曲がっては無価値なものとなるからである。

 ドライバーショットが飛べば次のショットが有利になるのは、誰もが理解する。しかし曲がったときのリスク計算には考えが及ばない、というか知ろうとしない。

 ドライバーショットは二律背反。飛ばそうと思えば曲がる確率も高くなる。そして曲がってOBになったら、チョロのほうがもっといいということになる。

 ナンシーは曲げないドライバーショットを手にいれ、米女子ツアーで一時代をつくったのだった。

 

■ナンシー・ロペス(1957~)

米国カリフォルニア州、メキシコ系移民の貧しい家庭に生まれる。練習費用にも事欠く境遇だったが、12歳の時、ニューメキシコ女子アマに優勝してから、やっとまともなラウンドができるようになった。72年、75年、全米女子ジュニア優勝。その年に全米女子オープンに出場し、2位タイとなって一躍時の人となった。タルサ大学へ奨学生として入学するも、20歳の時にプロ転向。22歳までの2年間で17勝をあげ、女子ツアーブームの一翼を担った。ツアー通算48勝。メジャーでは3勝しているが、全米女子オープンだけは獲れなかった。これだけが、輝かしい戦績に一点、画竜点睛を欠くといえる。87年にLPGA殿堂入り。記録より記憶に残るタイプのゴルファーであったといえるかも知れない。

 

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