名手・達人の言葉

2009.10.21

今度、雷が鳴りはじめたら頭のてっぺんに1番アイアンを立てておくよ。――リー・トレビノ
 

 トレビノはかって試合中に雷に打たれて、九死に一生を得た経験がある。そんな生き死にの話まで、ジョークにしてしまうのがトレビノなのである。

 で、なんで雷防止が1番アイアン(ドライビングアイアン)なの? そのオチは、“当たりにくい”からだって。

 現在では1番アイアンはユーティリティなどに変わり、使う人はめったにいない。ロフトが少ないため、パワーがなくてはボールは上がらないし、打ちこなすのが難しいクラブであったからだ。

 それでも全米オープンのように、コースがタイトで正確さを最優先するとき、ドライバーになりかわり、パワーヒッターはこの1番アイアンを武器にしたものだった。1番アイアンを打てることがプロの矜持でもあった時代の、トレビノのジョークである。

 クラブといえば、トレビノのキャデイバッグの中はいろんなメーカーのクラブでごった返していた。他のクラブのセットからでも、使ってみて気に入れば、その一本だけ抜き出して現在使っているクラブと入れ替えるなど、平気の平左。

 そんなときなど「なぜ俺のバッグが、ニューヨークの街中みたいになっているか分かるかい?」とウインクをしてみせるのだった。

 

■リー・トレビノ(1939年~)

米国・テキサス州生まれ。母親と祖母に育てられたトレビノは、家計を助けるため、小学生の頃からショートコースで働いていた。見様見まねでゴルフを覚え、当時は極端なフックボールを打っていた。しかし、60年、ベン・ホーガンの練習を見てからフェードヒッターに改造し、プロ入り。兵役で沖縄の基地にいて、レッスンプロをしていたこともある。65年テキサスオープン優勝。その後も故郷テキサス州エルパソでレッスンプロをしていたが、67年に夫人が内緒で全米オープンにエントリーし5位となり、翌年に優勝。ツアー通算29勝、メジャーは全米オープン、全米プロ、全英オープンを各2勝ずつで計6勝を挙げる。マスターズだけ獲っていないのだが、白人優越主義の強かった時代であり、積極的に出ようとはしなかった。

 

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