名手・達人の言葉

2009.07.15

ミスターに、高い球の打ち方を教えてもらいに行った。そして、私はオークモントを制した。――ラリー・ネルソン
 

 ミスターとは稀代のボールストライカー、ベン・ホーガンのこと。

 1983年、全米オープンはオークモントCCで行われたが、その開催前、ネルソンはホーガンの家を訪ねた。オークモントは高い球筋で、ピンの真上からグリーンを攻めなければ勝てないといわれていた。それで、30年前に同コースで優勝しているホーガンに教えを乞うためである。

 ホーガンは元々テキサスの風の強いコースで育ったため、低い球筋を操る名手として知られていたが、高い球も自在にコントロールできたのである。稀代のボールストライカーといわれる所以である。ともかく、ネルソンは単刀直入に、高い球筋の打ち方の秘訣をきいた。

 ホーガンは「ゴルフにはクリエイティビティが不可欠だ」とうなづき、「見てみなさい」と、ネルソンの目の前で見たこともない高弾道のボールを打って見せたのである。

 その秘訣とは――。ダウンスウィングで左手甲を外側に折ること。そうするとロフトが増えて、自然にまっすぐな高弾道が打てるということだった。

 目から鱗(うろこ)が落ちたネルソン。見事、高い球を駆使して難関オークモントを制し、実力世界一を決めるといわれる全米オープンの栄冠を、頭上に掲げたのである。

 

■ラリー・ネルソン(1947~)

米国・アラバマ州生まれ。ケネソー短大に進学。ベトナム戦争から帰還後、夜間の工学部で学びながら昼間はロッキード社で飛行機の製図技師を務める。21歳でゴルフを始め、わずか3年後にはプロに転向し、さらに3年後にツアー参戦する。81年と87年の全米プロ、83年の全米オープンとメジャー3勝を含むツアー通算10勝。チャンピオンズツアーで19勝。日本でも4勝を挙げ、大の日本好きになったという。06年にはゴルフ殿堂入り。遅咲きゴルファーの最高のプレーヤーと評される。日本好きが高じてか、現在、東京国際大(埼玉県川越市)のゴルフ部名誉監督に就任。

 

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