名手・達人の言葉

2009.07.08

パターを持参して、神の祝福を与えてもらったらどうだい?――フレッド・コーコラン
 

 フレッド・コーコランは、米国PGAツアーの育ての親ともいうべき、20世紀半ばの天才的プロモーターだ。当時、「ボーンスウィンガー」と謳われたサム・スニードのマネージメントもしていた。

 スニードは、生まれつきシルクのようなスウィングをするといわれていて、ショットの切れ味は「ツアー随一」と評価されていたのだが、それに比較してパットがお粗末であった。

 そんな2人がヨーロッパを旅行中、ローマ法王に謁見する機会が訪れた。

 そのとき、コーコランが放った冗談が表題の「言葉」である。その冗談に大きく頷いたスニード。本当にパターを謁見に持ち込んだのである。

 その謁見の模様をコーコランは後日、こう描写している。

<セントピーター寺院の聖堂内特別室で、法王と謁見したときのサムの様子を、私はいまでも思い出す。彼の全身は鉄でできた人形のようにぎこちなく硬直し、彼の眉毛は飛び上がって脳天まで達していた>(『ゴルフ大全』夏坂健・著 より)

 この話には続きがある。

 やがて法王とゴルフの話になって、法王が100も切れないゴルファーだとわかってくる。しかも法王は自分のスウィングとパッティングについてスニードに懺悔までしたのだから、コーコランは吃驚仰天(びっくりぎょうてん)。

 スニードはパターを持ってかえるとき、神は私を見捨て給もうたといった表情で大きく溜息をついたという。

 

■フレッド・コーコラン(1905~1977)

米国・マサチューセッツ州生まれ。天才的プロモーターとしてPGAツアーを育てた中興の祖。それまでの賞金総額を6倍にし、PGAツアーを隆盛へと導いた。またサム・スニード、女子プロ歴代の最高アスリートと謳われたデーブ・ザハリハスのマネージャーも務めた。マネージメントはゴルファーだけでなく、メジャーリーグのテッド・ウイリアムス、スタン・ミュジアルも手がけた。

 

ゴルフ名言集へ ≫≪ ゴルフコラムTOPへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

運営会社 | プライバシーポリシー