名手・達人の言葉

2009.07.01

現役である限り、レッスンはやらない。技術書も書かない。――尾崎将司
 

 ジャンボ尾崎のいう「現役」とは、トーナメント・プロであるということだ。

「トーナメントで鎬(しのぎ)を削っていくには、日々、技術(スキル)のレベルアップが不可欠のこと。今日これだ!と思ったことが、次の日には違っている方法を採用しているかも知れない。だから技術的レッスンをしても、後からあれは間違っていたということになりかねないから、レッスンは一切しない。技術書も書かない。成長が終わり技術が完結したと思ったら、その時は本も書くよ」

 筆者がまだゴルフ誌の編集記者だった頃、レッスンというより、今現在の自分だけのスキル習得を誌面に是非といくら懇願しても、ノーであった。対プロの助言したり、今のスキルのことを話すぶんにはいいが、活字で残すことは絶対に拒んだ。

 そこには、アマチュアに高度なスキルの話をしても理解できないということもあろうが、最大の理由は、トーナメントで生きていくという強烈なプライドの故だろう。

 還暦を過ぎても、体が故障して悲鳴をあげてもシニアにいかずに現役ツアーにこだわっているのも頷ける話だ。

 だから尾崎には技術書、レッスン書の類は一切ない。

 しかし、あの稀代のストライカー、ベン・ホーガンや、尾崎が憧れた帝王・ニクラスも技術書は残しているのだ。もうそろそろ書いてもいいだろうと思うが、いかが?

 
■尾崎将司(おざき・まさし、1947年~)

1947年、徳島県に生まれる。幼年時から野球に熱中し、海南高では投手、4番バッターで甲子園選抜で優勝。卒業後プロ野球・西鉄ライオンズに入団するも、芽が出ず、プロゴルファーへ転身。70年プロテスト合格。そこから天賦の才能は花開き、遅咲きのライバル青木功とともに、日本のトーナメント隆盛の礎をつくった。09年6月の段階で勝利数113(うち海外1勝)。賞金王になること12回。国内では圧倒的な数字を残している。何より驚かされるのは79年から7年ほど不振に陥ったが、そこから復活し、再び尾崎時代を出現させた。世界のスポーツ界でも稀有のことであろう。ただ画竜点睛を欠くのは、青木功が米ツアーで活躍し、殿堂入りを果たしたのに対し、海外参戦へは消極的であったことだろう。

 

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