名手・達人の言葉

2009.06.10

ゴルフには唯一絶対の命令がある。それはボールを打て!――ウォルター・シンプソン
 

 このコラムも235回目と回を重ねてきたが、まだ登場してない賢人も多い。それを知らされたのは、今回のウォルター・シンプソンである。

 この御仁は本来なら第1回目にでもご登場願う人であった。
 1887年に刊行された『The Art of Golf』は史上初めての本格的ゴルフ書として、不朽の名声をかち得ているからだ。ゴルフ自体を哲学としてとらえ、肉体と精神の融合を快適になしえる術を説いている。時には諧謔(かいぎゃく)とエスプリを交えながら。

 この本はその後の名手・達人に多大な影響を与え、トム・モリス、ウィリー・パークなどは座右の銘として愛読したという。

 表題の「言葉」はその中に入っているものだ。ボールに向かったら、あれこれ考えず心を虚心坦懐にして、ただ打つことと奨めている。だから頭と心を空っぽにして打てる単純な人がゴルフに向いていると、逆説的諧謔もつけくわえている。が、しかしそんな境地になるためには、何百、何千回と知的に呻吟(しんぎん)の経験を経てこそ成し得るものであるのだ。

「一度に多くのことを考えては堅実なプレーは不可能だ」とも述べている。

 こんな箴言が100年以上も前にすでに書かれていて、その内容が現在でも何の説明も不要だというところにシンプソンの偉大さがうかがえる。

 

■ウォルター・シンプソン(1842~1899)

スコットランドの貴族にして詩人。ゴルファーとしての記録は残っていないものの1887年に出版された『The Art of Golf』は史上初の本格的ゴルフ哲学書として、歴史に燦然とその名を残している。この本はその後の名手・達人に多大な影響を与え、トム・モリス、ウィリー・パーク、アマチュアのフレディ・テートなどは座右の銘として愛読した。そしてその内容は現在でも色褪せることなく、ゴルフの真髄を衝き続けている。

 

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