名手・達人の言葉

2009.05.13

アマチュアのバッグに入っているもので、いちばんよいウッドはペンシルだ。――チ・チ・ロドリゲス
 

 米ツアー界で、数多くのジョークを放ったのは、“陽気なメキシカン”ことリー・トレビノと、“フェアウェイの道化師”と言われたチ・チが双璧だろう。どちらも人種的にマイノリティーで、それが故か、ジョークの笑いに託して皮肉と諧謔(かいぎゃく)をちりばめ、コース内外で人気を博した。

“球聖”と慕われたボビー・ジョーンズは、アドレス後に動いたボールに1打ペナルティーを課し、「スコアをごまかさなった私をほめてくれるのは、銀行強盗をしなかった私をほめてくれるようなものである」(第17回で紹介)と、ゴルフの本質を説く。

 しかしチ・チは、このような優等生発言はしない、いやできない。その代わりにこんな「言葉」でスコアのごまかしを皮肉るのだ。

 ウッドの意味が理解できないゴルファーのために一応説明しておくと、昔はドライバーと、スコアカードに書き込むペンシルは鉛筆、木(ウッド)であった。

 ゴルフでのスコアのごまかしは、露見した途端、その人の社会的名声は地に堕ちる。またそれをした直後から、自分に引け目が生じ、そこから大叩きという例は、枚挙に暇がない。それは筆者の経験(!?)からも実証できる。

 ところで。チ・チはある試合でプレーが遅いとたしなめられたことがあったという。その時、彼は「だって俺、名前が遅、遅だもん。許してちょうだい」といったとか、いわないとか。

 お後がよろしいようで……。

 

■チ・チ・ロドリゲス(1935~)

プエルト・リコ生まれ。貧しい家庭に育ち、19歳まで米陸軍キャンプのゴルフ場でキャデイをしながらゴルフを覚える。天賦の才があったのだろう。1930年プロ入りし、米ツアーに参加。63年にはデンバーオープンで初優勝する。以来ツアー8勝し、チャンピオンズツアー入りしてから08年まで22勝をあげる。プエルト・リコのあらゆるスポーツ選手の中でも最も有名。フロリダに母国のジュニアのためのファンデーションを帝王・二クラスとともに立ち上げ、社会的貢献も果たしている。陽気なパフォーマンスでも知られ、「フェアウェイの道化師」と呼ばれ人気を博した。交友の広さはマザー・テレサや、人気歌手ポール・アンカ、サミー・デービスJrに及んだ。92年、ゴルフ殿堂入り。

 

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