名手・達人の言葉

2009.03.25

スタンスはグリップの握りと同じくらい重要なものだ。──ウォルター・ヘーゲン ヘーゲンが活躍した1900年代の初頭、グリップの重要性を説くものは多かったが、スタンスのそれを説くのはヘーゲンくらいしかいなかったのではないだろうか。

 その頃はグリップがスウィングの基本とさえ言い切る者もいたが、スタンスについてはそんなに言及されてはいなかった。

 しかし、現在ではグリップは「その人の好みで握ればいい」というのが主流になったようだ。その理由は、古今東西の名手・達人は一人として全く同じグリップの形はないのだから、基本とはなりえないという説だ。

 対して現在のスウィングにおいては、体の使い方に重きがおかれ、上半身と下半身のマッチングが重要とされる。ヘーゲンが言ったのはその中の下半身の要素の重要性を“スタンス”の言葉に込めたのではないか。

 スタンスの向きもさることながら、足そのものの感性を大事にしろと言っているような気がする。「構えたとき足裏で地面を感じ、足裏で地球をしっかりグリップしろ」と言うような……。

「アマ界の至宝」と呼ばれた中部銀次郎は、革底のゴルフ靴しか履かなかった。グリーンに乗ったとき、足裏で芝を、ラインを傾斜を感じろと。それにはゴム底ではダメで、履くごとに足裏になじんでいく革底じゃなければ、というのが持論であった。

 その中部が愛用したフットジョイ・クラシックも、製造中止になるという。話はそれたが、20世紀初頭の巨人の「言葉」に時代を巡らせてみるのも一興ではあるだろう。

 

■ウォルター・ヘーゲン
(1892~1969年)
米・ニューヨーク生まれ。ツアーだけで生計を立てた最初の人で、プロゴルファーの地位を高めたと評価されている。真っ白なロールスロイス、白いタキシード姿で現れ、車で着替えをしたのは、当時ハウスに入れなかったプロの地位への反抗だったのだろう。ゴルフのスキルは天才的で「ピアニストのタッチと、金庫破りのデリケートさを持った男」と評され、一世を風靡した。全英オープン4回、全米オープン2回、全米プロ5回制覇し、メジャー優勝回数は歴代3位の実績を誇る。ボビー・ジョーンズとはまた違う次元で、ゴルフ史に大きくその名を残している。

 

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