名手・達人の言葉

2008.12.17

牧場を買いたかった、借金ではなく、現金で。──バイロン・ネルソン バイロン・ネルソンといえば、もちろんあのツアー11連勝の大記録で知られているが、驚く数字は他にもある。1945年のその年、30試合に出場したネルソンは11連勝を含む18勝をあげた。勝率はなんと6割。平均ストロークは120ラウンドで68.33。

 平均ストロークこそ07年にタイガー・ウッズが破ったが、11連勝、年間18勝、勝率6割、この記録は今後も絶対破られないだろう。あの帝王ニクラスも成しえることができず、さきほどのタイガーは未だ挑戦中だが、多分不可能だろうとの声が強い。

 ネルソンがこの大記録を成しえた原動力は何だったか? その答えが表題の「言葉」である。

 牧場を持つことに憧れていたネルソンは、この年、その憧れを実現することを決意した。ルイーズ夫人にその決意を打ち明けるが、最初は「ノー」の返事。粘ったネルソンは、借金ではなく現金でならと、譲歩を勝ち得た。大恐慌を経験していたため、特に家計を受け持っていた夫人は、借金することに不安を抱いていたためだ。

 牧場を買うと決意したネルソンは、1勝するごとに牛何頭が手に入り、牧場の広さが増していくと奮起し、その意欲がついに11連勝を含む18勝、2位が7回、アンダーパーのラウンドが90回強、ベストスコアは62という驚異的な数字を残すに至る。それまでのトーナメントでの記録を、すべて塗り替えてしまったのだ。
 34歳で引退したネルソンは念願の牧場を手に入れ、夫人とともに次の人生へと出発したのだった。

 

■バイロン・ネルソン
(1912年~2006年)
テキサス州フォートワース生まれ。10歳からキャデイを始め、20歳でプロ入り。仲間にはベン・ホーガンがいたが、性格は正反対だったという。その後サム・スニードを加えた3人は、「ビッグスリー」として時代をリードした。1937、42年にマスターズ優勝。39年には全米オープン、全米プロは40、45年の2度優勝している。また45年には前人未踏の11連勝を達成し、年間平均スコア68.33という驚異的数字を残している。ヒッコリーシャフトから、当時開発されたスチールシャフトにいち早く切り換え、それが美しいワンピースのスウィングを獲得する要因になった。引退してからもネルソンに師事するために門を叩くトッププロは多く、長くツアー界の大御所として君臨した。

 

ゴルフ名言集へ ≫≪ ゴルフコラムTOPへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

運営会社 | プライバシーポリシー