名手・達人の言葉

2008.11.26

私がアプローチで最も多用した6~7番の場合、生涯の平均ストロークは2以下と思う。──ポール・ラニアン ラニアンのニックネームは「リトル・ポイズン」(小さな毒虫)。1930年代、ラニアンは小柄ながら、時の飛ばし屋たちを次々とミラクル・アプローチで葬り去った。

 優勝した2度の全米プロでは、34年にクレイグ・ウッド、38年には「ボーン・スウィンガー」と謳われたサム・スニードを……。

 当時の全米プロはマッチプレーであったが、小柄で非力なラニアンが大男の長距離打者を破って優勝したのだから、体力の恵まれないゴルファーにとって拍手喝采であっただろう。

 ラニアンは、特殊な状況以外ピッチショット(上げる球)を封印し、ピッチ&ラン、つまりは転がし一本槍であった。

「グリーンを5フィート外し、カップまで30フィートあるなら3番か4番アイアンを使う。もしランがキャリーの2倍なら8番、4倍なら6番か7番といったところだ。もちろん上り、下りの状況にもよるがね」

 ラニアン自ら考案したグリップで――両手の平が正面を向くように握り――手首の動きを可能な限り抑え、姿勢を高くし、振り子のように振った。

 飛距離が出るのは、生まれつきの天分といわれる。それに対し小技は努力で報われるスキルである。

 抜群の小技をもって、柔よく剛を制した。「リトル・ポイズン」と命名された男の面目躍如である。

 

■ポール・ラニアン
(1908~2002)
米国・アーカンソー州生まれ。18歳でプロ入りし、ツアー通算28勝、ライダーカップメンバーに2度選ばれ、1934年の米国チーム優勝に大きく貢献した。小柄ながら抜群の小技でツアーを沸かし、「リトル・ポイズン」(小さな毒虫)と呼ばれ恐れられた。特にハードヒッターのC・ウッド、S・スニードを破った34年と38年の全米プロ(マッチプレー)の決勝は名勝負として有名だ。90年、ゴルフ殿堂入り。

 

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