名手・達人の言葉

2008.10.23

すべては一球のために。──中嶋常幸 70年代、尾崎将司ことジャンボ尾崎の出現によって、プロゴルフ界は未曾有の隆盛をみせ、青木功がそれに続き、AO時代と呼ばれた。そして80年代になると父の英才教育による“巨人の星”のゴルフ版、“サイボーグ”中嶋常幸が出現。三つ巴のAON時代を築き、野球(それも巨人)一辺倒だったスポーツ紙の第一面をゴルフが飾るほど、トーナメント界は沸騰したのだ。

 その尾崎も青木もこの欄に登場しているが、中嶋は初登場。決して忘れていたわけではないのだが、前者2人があまりにも強烈なキャラクターなので、今になった次第。

 表題の「言葉」は、何年か前のテレビ番組でも披露していたが、中嶋のモットーにしていた言葉でもある。

 食卓の上に、たくさんのご馳走が並んでいるとする。しかし、どんなご馳走であろうと、一度には絶対に食べられない。1個ずつしか食べられはしないのだ。

 ゴルフも同じで、一度に1ショットしか打てないのである。だからこそ、その1ショットに集中し、全力を傾けなければならないというのだ。

 これは球聖ボビー・ジョーンズが「ゴルフは一度にワンストロークしかプレーできない」と喝破していたことを、中嶋流にアレンジし取り入れたのだろう。このジョーンズの言葉も機会あれば紹介したいと思う。

 ともあれ、中嶋はしゃべりも上手く、ラジオでレギュラー番組も持ち、座談会などでも薀蓄ある「言葉」を残している。これらも次の機会に紹介しよう。

 

■中嶋常幸
(なかじま・つねゆき 1954~)
群馬県生まれ。父・巌氏に英才教育を受け、10歳の頃にはすでにプロゴルファーを目指していた。その英才教育は熾烈を極め、“サイボーグ”“キカイダー”と表現され、マスコミにも頻繁に登場した。18歳で全日本パブリック、日本アマを制覇。21歳の時にプロ転向。2年後の77年にはメジャーの日本プロを獲り、80年代に入ると日本シリーズ、日本プロマッチ、日本オープンを次々に制覇、日本版グランドスラマーを達成。同時期に世界のメジャーにも挑戦。86年のマスターズでは、日本人初のアンダーパーで8位タイ。同年の全英オープンでは、最終日最終組でラウンド。88年、全米プロでは日本人ベストの3位に入るなど大活躍。ジャンボ尾崎、青木功とAON時代を確立し、80~90年代のゴルフシーンをリードした。95年を最後に優勝はなかったが、02年に大復活。現在までツアー48勝(永久シード)、シニアでも4勝。この勝利数はまだまだ伸びそうである。

 

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