名手・達人の言葉

2008.09.24

バッジを忘れた私に落ち度があるのだから当然です。 ボビー・ジョーンズ

 さて、このコラムも200回を迎えた。
だから何だ、といわれてしまえばそれまでだが、キリのいい回に筆者も改めて褌(ふんどし)をひきしめる意味でといったら、かの球聖の登場しかないであろう。

 1926年の全英オープン。当時は第3ラウンドと第4ラウンドは、ランチを挟んで1日で行われた。ジョーンズはそのランチを投宿先のホテルで摂ったのだが、そのとき選手用のバッジをホテルに忘れてしまった。

選手用ゲートにいた係員は、生憎のことにジョーンズの顔を知らなかった。係員は当然のように首を横に振る。ジョーンズは一般ギャラリー入場券を買って、ギャラリーと一緒にゲートを通ったあとに表題の「言葉」を当たり前のことのように言ったそうだ。

 この年、ジョーンズは優勝するのだが、それまではそれほど有名ではなかったために起きた出来事であった。

 それにしても名前ぐらい告げれば通してくれたであろうが、ジョーンズは“特別扱い”を嫌ったのである。

 ジョーンズの親友でもあり、伝記作家のO・B・キーラーはこう言ってる。
「スポーツの寵児になることで、いかに多くの汚れなき若者が不遜児となり、その前途をゆがめてしまったか。しかし、ジョーンズはそれに超然と立ち向かい、スポイルされることのなかったただ一人のひとである」

 

■ ボビー・ジョーンズ
(1902~71年)
米国ジョージア州アトランタ生まれ。父親がゴルファーで生家も庭がゴルフ場続きでもあり、5歳で自然にクラブを握る。14歳で全米アマに出場。その後、数々の選手権に優勝。特に1930年には世界の4大タイトル、全米、全英両オープン、両アマに優勝、年間グランドスラムを達成。この記録はいまだに破られていない。全英オープンに勝ち、祖国に凱旋した時は国民的英雄となった。これを契機にアマのまま引退。故郷アトランタに戻り弁護士活動のかたわら、オーガスタナショナルGCを設立、マスターズ・トーナメントを主宰。4大メジャーの一角を担っている。不世出の球聖として歴史にその名を刻む。

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