名手・達人の言葉

2008.09.17

“あるがまま”とはボールのライだけではなく、体調、自然天候、時間環境などすべてが包括されているのだ。 ボビー・ロック

 Play the ball as it lies(プレイ ザ ボール アズ イット ライズ)。

 あるがままのライでボールを打つ、というのはゴルフの大原則である。つまりはプレー中、ボールには触るな、ということである。

 公平さを保つということはむろん、それによって、ゴルフが奥深いゲームとして成立するからだ。

 打たれたボールは落下してどういう状態になるか、神のみぞ知る。時にはラッキー、時にはアンラッキー。そのことが人智をこえているから、ゴルフというゲームが複雑に繊細に、時には全く単純になりおもしろくなるのである。

 ボビー・ロックはゴルフの大原則を、もう一歩先に進めた「言葉」を残した。

 自分の体調も生物である以上、好不調の波があるのは当然であろう。天候や自然の在りようはいうまでもなく、変幻自在が自然の摂理。

 スタート時間や、ラウンドするプレーヤーの組み合わせ。それらは自分で規定したり、決められるものではなく、総て“あるがまま”でしかない。

 その“あるがまま”に、身をゆだねながら、自分を表現していく。ここにロックはゴルフにおけるスコアアップの要諦(ようたい)を見出したのである。

 ただ、ロックには“あるがまま”を受け入れるために、自分のペースを守りすぎ――それはゆっくりすぎ――、超スロープレーヤーといわれた。

 今ならスロープレーとしてペナルティを課されるほどで、毀誉褒貶(きよほうへん)が未だに聴かれるのは致し方のないことだろう。

 
■ボビー・ロック
(アーサー・ダーシー・ロック 1917~)
南アフリカ生まれ。父親は北アイルランドからの移住で、運動具店を家業にして成功。その父親から球聖B・ジョーンズの本を与えられて薫陶を受け、18歳で南アオープンに優勝。38年プロ入りした年にニュージランド、アイルランド両オープン、次の年にはオランダオープンを制している。米ツアーへは47年から2年半参戦し、59試合に出て11勝、2位が10回と赫々たる戦績を残している。その後、なぜか米ツアーへは背を向け、49、50、52、57年と全英オープン4回優勝。他にフランス、アイルランド、スイス、ドイツ、エジプト、オーストラリア、メキシコ、カナダの各オープンも制し、コスモポリタンの面目が躍如している。

 

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