名手・達人の言葉

2008.07.30

“テークバックが大きい人にパットの上手い人はいない。パットの名手は例外なく、テークバックは必要最低限に小さい。 ジーン・サラゼン

 パットの秘訣を語る「言葉」は数多くあるのだが、サラゼンのこの「言葉」で興味深いのは、このことが球聖ボビー・ジョーンズをして、若くして引退させた原因であると述べていることだ。

 同時代にライバルであり、出身階級も天地の差がありながら、仲のよかったジョーンズとサラゼン。そのサラゼンのジョーンズ評。 

「すべてにおいて優れていた。特にロングゲームの素晴らしさは誰も寄せ付けなかった。しかし、欠点があるとすれば、パットだった。非常にテークバックが大きすぎたのだ」 

 テークバックが大きすぎると、インパクトで微妙な力加減を調節しなければならなくなる。タイミングをつかむのも難しくなる。

 テークバックが小さければ、インパクトで力加減を調節することもなく、常に同じリズムで打っていける。

 それで届かなければそれに合うだけのテークバックをちょっとだけ大きくしていけばよい。そのような意味をサラゼンは述べている。

 さらに、テークバックが大きくてもパットが上手いのは若いうちの感覚が鋭いときだけであるとも、サラゼンは分析している。

 ジョーンズは競技生活の晩年、パットで苦しんだのは事実。

 28歳の若さで引退したのは年間グランドスラムを達成した“キリ”のよさもあったろうが、大きすぎるテークバックゆえに、加齢して感覚の鈍ったパットの不調にあったと、サラゼンはみていたのだ。

 そういえば、パット名手といわれた帝王ニクラスも、ベン・クレンショーも日本の青木功も小さなテークバックをしていた。

 
 
■ジーン・サラゼン
(1902~1999年)
ニューヨーク州ハリソン市にイタリア系移民の長男として生まれる。貧しい家計を助けるため10歳でキャディになる。17歳で学校は中退。大工の見習いになるが、大病。その後パブリックゴルフ場につとめプロゴルファーへの道が開けた。20歳のとき、「マッチの鬼」といわれたウォルター・ヘーゲンを破り全米プロに勝ち、メジャーでの初勝利をもぎとる。28年には全英オープン、30年全米オープン、33年にはあの有名な15番のダブルイーグルでマスターズを制覇し、世界で最初のグランドスラマーに。ゴルフ殿堂入りもしている。日本ではかつて行われていたトーナメント「ジュンクラシック」のホストとしても親しまれた。

 

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