名手・達人の言葉

2008.06.25

プレー中、喜怒哀楽をわたしは見せなかった。 岡本綾子

 2008年の全米女子プロ選手権、TV中継で解説した岡本はその中で、短いパットを外しながらも顔色を変えないあるプレーヤーのことについて、おおよそ以下のような話をした。

「プレー中に喜怒哀楽を見せたところで、一緒に回っている人はいい印象は持ちません。それだったら一緒に回るグループでいい流れをつくって、その中で自分もいいプレーをすることが優先されるのではないでしょうか……」

 岡本は現役時代も表情を崩さずに、飄々とプレーするタイプであった。

 派手なガッツポーズはなく、しかしそれが女王の風格を作っていったともいえる。

 むろん反対の意見もある。プロスポーツである以上、観せるためには喜怒哀楽を前面に出して、人間臭さをアピールしたほうが人気も出るという意見だ。

 例えば日本ならジャンボ尾崎。野球でなら長島茂雄。アメリカならばアーノルド・パーマー、タイガー・ウッズ。

 以上が“動”なら、対して喜怒哀楽を表に出さない“静”は戸田藤一郎、王貞治、ジャック・ニクラス等が例としてあげられよう。

 アマチュアならば、かの中部銀次郎が「場面場面を柔らかく受け止め、対応する」ことが上達の近道といっている。

 すなわち窮地においてもアタフタとすることもなく、バーディが来たからといっても舞い上がらない。それが上達の秘訣でもあり、アマらしいプレースタイルだと。

 この伝でいえば、岡本の冒頭の「言葉」は我らアマチュアのためにこそ有意義であろうと思えるのだ。

 
■岡本綾子
(おかもと・あやこ、1951年~)
広島県生まれ。今治明徳高校~大和紡績ではソフトボール部に在籍し、エースで4番バッター。国体優勝の祝勝旅行のハワイでゴルフに出会い、帰国後、1973年に池田CCで修行を始めるや、翌74年秋には2回目の受験でプロテストに合格。するとデビュー年となった75年に初優勝。81年には年間8勝して賞金女王に輝いた。同じ81年に米女子ツアーテストに合格し、翌年米ツアーに参戦すると、こちらもその年に初優勝し、以来主戦場を米ツアーに置く。そして87年には4勝をあげ、日本人初の米女子ツアー賞金女王となった。国内44勝、海外18勝。05年、米国女子ゴルフ殿堂入りの快挙も果たす。

 

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