名手・達人の言葉

2008.02.06

ゴルフジャーナリストたる者、見識というものを持っていなくちゃいかんよ。 摂津茂和

 この「言葉」は楽屋落ちの話になるが、小社に入社したての頃の先輩がゴルフ起源についてご高説をたまわりに、摂津氏のお家を訪問した時に発せられた。

「知識がないのは論外だが、ただ知識を持っているだけでもだめで、その知識の元になる背景や、歴史の意味などの見識も持っていなければ、本質は見えてこないよ」と諭されたと言い、その先輩は今でもそのことを教訓にしているという。

 1899年(明治32年)に生まれた摂津氏は、慶大卒業前年に父親の欧米出張に同行し、英国に8カ月程滞在。

 その時にスコットランドで見たゴルファーの挙措や、風景に魅了され、帰国して自身もゴルフを始め、創立時の鷹之台でクラブチャンピオンになるほどの腕前になった。

 しかし、それ以上にゴルフに関する記述に興味を持った摂津氏は、エッセイ『ゴルフ三昧』『ゴルフ千夜一夜』を皮切りに、ゴルフ著述家の道を歩むことになる。英国のゴルフ記録を中心に取材のため歩き回り、膨大な資料を集め、その数2千冊をこえたという。

 前述したエッセイ、技術書、歴史・伝記物、ルール解説書、精神・心理学、名言集などその作品はゴルフ全般にわたり名文ぶりを発揮した。

 世界的にもゴルフ蔵書コレクターとしても知られた。

 JGA(日本ゴルフ協会)の資料委員長も務め、「日本ゴルフ60年史」編纂の中心的存在であった。日本最初のゴルフミュージアム(広野GC)建設も摂津なしでは建設することはできなかったであろう。

 興味のある方は是非一読をお薦めしたい。
 
 
■摂津茂和
(せっつ もわ 1899~1988)
本名は近藤高男。フランス映画で女優が“セ・モア”(あれが私よ)と叫ぶシーンが気に入ってペンネームにしたという。慶大卒業前年に父親の欧米出張につき添い、英国に8ヶ月滞在したことがゴルフへ関わるきっかけとなった。ゴルフの腕前も創立時の鷹之台のクラブ選手権に優勝するほどであったが、それ以上に持ち前の文才を生かし、エッセイから技術書、歴史・伝記、ルール解説など多岐にわたる作品を遺した実績のほうが大きいであろう。海外のゴルフ書コレクターとしても、世界的に有名であった。JGAの資料委員長、日本で初のゴルフミュージアム建設にも尽力。ゴルフの魅力をあらゆる角度から見て、高い見識で書を著した日本最初のゴルフジャーナリストといっていいだろう。

 

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