名手・達人の言葉

2007.09.12

わたしのパターは無事だったかね ボビー・ロック

 全英オープンを4回制しているボビー・ロックは1959年、故郷の南アで交通事故を起こした。
 踏み切りで列車と衝突し、意識不明に陥ったのだが、幸いにも意識が戻って、発した最初の言葉がこれである。

 ロックは幼い頃、父が薦めた球聖ボビー・ジョーンズの本をバイブルとし、その中にあった「3を2に変えて勝つ」に感銘を受けたという。
 つまり、3パットするところは絶対に2パットでしのぎ、アプローチでは必ず1パットに寄せて2とする。これが1ラウンドで4回あるとすれば、4ラウンドで16打縮めることになる……。

 というわけで、ロックは幼い頃からショートゲームに熱をいれて練習したという。 パットは1ラウンド、30パットをめざし、それが28パットに到達するようになってから、目覚しい戦績を残している。

 スウィングは極端なクローズスタンスで、フック一辺倒。「鯨が転げまわる格好のスウィング」と評された。
「ふるまい、風貌、私の周りにいる仲間の中でいちばん不思議」とジーン・サラゼンは印象を語っている。超スロープレーとしても有名だった。
ともかく、しかしパットでの名手ぶりは、3フィート(1メートル)を外しただけで話題にあがるほどだった。

 そんなロックだったからこそ、意識から覚めて真っ先に口に出したのもうなづける話だ。
 そのパターは古くて、シャフトもヘッドも錆びついていたが、ロックのとってはまさに「命」だったのである。

 
■ボビー・ロック
(アーサー・ダーシー・ロック 1917~)
南ア生まれ。父親は北アイルランドからの移住で、運動具店を家業にして成功。その父親から球聖B・ジョーンズの本を与えられ、薫陶を受け、18歳で南アオープンに優勝。38年プロ入りした年にニュージランド、アイルランド両オープン、次の年にはオランダオープンを制している。米ツアーへは47年から2年半参戦し、59試合に出て11勝、2位が10回と赫々たる戦績を残している。その後、なぜか米ツアーへは背を向け、49、50、52、57年と全英オープン4回優勝。他にフランス、アイルランド、スイス、ドイツ、エジプト、オーストラリア、メキシコ、カナダの各オープンも制し、コスモポリタンの面目が役如している。

 

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