名手・達人の言葉

2007.02.07

しかめ面をしていたら、ボールもしかめ面をして飛んでいくんだ 中村寅吉

 プロアマなどで、アマチュアとまわった時、
トラさんはよくこんなことをいってたという。

 アマチュアが打とうとして、アドレスに入った時、その顔を見て
「待った! そんなしかめ面だとよう、
球もしかめ面してしか飛んでいかねーよ」

 と、アドレスをとかせ、
「息をしっかり吸って、吐いて」
と深呼吸を3回ほどさせて、打たせたものだという。

 深呼吸することで、気持ち、体の緊張が
ほぐれることはよく知られている。
この呼吸ということをトラさんは大事にした。

 吸うことは力を溜めること、
そして吐くことは力を放出することだと。

 だからアドレスからトップまで息を吸い、
トップからインパクトまで一気に息を吐き出せば、
その人の最大エネルギーを引き出すことができる
というわけだ。
ゆっくり吸っていけば、タイミング、リズムだって
とりやすくなる道理である。

 喩え話とか交え、平易な言葉のベランメー調で
ゴルフの真髄を語った言葉はまだ数多く残されている。

 
■中村 寅吉
(なかむら・とらきち 1915年~)
家が貧かった寅吉少年は、小学校を卒業し、保土ヶ谷CCにキャディとして働く。見よう見真似でゴルフを覚え、やがて先輩をも追い抜く上達をみせる。プロ入りし、マッチプレー全盛の頃はさしたる成績は残していないが、ストロークプレーになって無類の強さを発揮しはじめる。56年に始まった関東オープンでは4年連続、2年置いて3連勝。日本オープン3勝、日本プロ4勝など勝利多数。なかでも極めつけは57年、霞ヶ関で行われた当時の「ゴルフのオリンピック」カナダカップに小野光一と組んで優勝したことだろう。中村は個人優勝も果たして戦後のゴルフブームに火をつけた。女子プロ界の女王となる樋口久子を育てたことでも有名。その後も日本プロゴルフ協会会長なども歴任。プロ界の指導的役割も果たした。

 

ゴルフ名言集へ ≫≪ ゴルフコラムTOPへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

運営会社 | プライバシーポリシー