名手・達人の言葉

2006.12.20

私は、打ちたいボールの軌跡をイメージせずに打ったことは一度もない ジャック・ニクラス

 帝王ニクラスは、現在のパワーゴルフの祖といっていい。

 しかし、パワーだけで帝王の座についたのはない。
類稀なショットの精緻性がなければ、
ゴルフも含めたオールスポーツの20世紀最高のアスリートと
呼ばれるわけがないのだ。

 二クラスのそんな技術の元が集中力であり、
イメージ力であったのだと思う。

「まずボールをどこに落としたいか、イメージする。
次にボールが思い定めたところへ飛んでいくところ、
地面に落ちるところを思い描く。
最後にそのボールを打てる
スウィングをしているところを想像する」
 と帝王。

 筆者は全盛時代のそんな二クラスをみたことがある。

 ところは80年代始め、
マスターズのおこなわれる
オーガスタ・ナショナルGCの練習場。
当時の専属キャディ、アンジェロは
ボールの落下地点に、カゴを持って立つ。

 アンジェロはいくぶんおどけた様子で、
二クラスが放つボールをワンバウンドで拾うわけだ。
それ自体も絵になったが、驚いたのはドライバーショットで、
アンジェロは立ったまま、手を左右に動かすくらいだったってことだ。

 ドライバーショットで
約1メートルの誤差で打っていける正確性!

 何もトリックショットをやったわけではなく、
練習の仕上げで、マイボールの回収のためおこなったのだが、
図らずもこの時、帝王は冒頭の言葉どうりのことを
やっていたのだろうと思う。

 帝王の矜持を見せつけられた瞬間だった。

 
■ジャック・二クラス
(1940年~)
米国オハイオ州生まれ。10歳でゴルフを覚え、12歳から5年連続で州ジュニア選手権優勝。神童と呼ばれ、その後も全米アマ2勝して、61年プロ入り。そして翌年にははやくも全米オープン優勝。そのときはヒーロー、A・パーマーを破っての勝利で、太ってもいて敵役となった。しかし72年には巨漢からスリムへ、GIカットから長髪へイメージチェンジを果たし、帝王とよばれる道をひた走った。ツアー73勝。シニア他32勝。なかでも4大メジャー勝利数18は未だ破られていないし、同じく4大メジャーでの2位も19回と圧倒的。もちろんグランドスラマーで、殿堂入りも果たしている。20世紀最大のゴルファーにも選ばれている。

 

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