名手・達人の言葉

2006.10.18

寄せるんじゃない、入れるんだって、ブルースに宣言したんだ。 トム・ワトソン

ワトソンが帝王ニクラスの跡を継いで、
新帝王の座についたのは、
82年、ペブルビーチGLで行われた
全米オープンに勝ったときであろう。

二クラスはワトソンが17番にいたとき、
同スコアであがってアテストしていた。
ワトソンはその名物17番ショートホールで、
右の深いラフに外した。

全米オープンのラフの深さは想像を絶する。
そのときもボールのライはワトソンの足首まで
すっぽり隠していて、
むろんボールなど見えるべくもない。

ピンまで10メートルほど。
誰もがボギー、
もしくはダブルボギーもあると予想した。

そのアプローチを打つ前に、
長年コンビを組み、家族同様といわれた
キャディのブルース・エドワーズ(04年死去)と
言葉をかわし、ワトソンは何かささやいた。

このささやいた言葉というのが、
冒頭のそれである。

そして打たれた球は宣言したとおり、
スルスルとカップへ向かい、入ってしまったのだ。
このバーディで二クラスを突き放し、
栄冠を手にしたといってもよい。

勝利後の記者インタビューで
「ブルースは無理せず、出そうといったのだが、
あのときは入る予感がした。本当に入ると信じたんだ」
と淡々と語った。

冷静沈着で、ホラなどとは無縁のワトソンが放った
渾身の一撃の言葉であった。

 

■トム・ワトソン(トーマス・スタジェス・ワトソン)
(1949年~)
米国生まれ。スタンフォード時代は勉学に力をそそいだのか、これといった成績は残していない。71年プロ入りと同時にツアー参加。ツアーでの勝利39。メジャーは全米オープン1勝(82年)、マスターズ2勝(77、81年)、全英オープン5勝(74、77、80、82、83年)計8勝。帝王二クラスを継ぐ新帝王といわれるまでになったが、極度のイップスに襲われ、全米プロはとれず、グランドスラマーにはなっていない。シニア、他の勝利を加えれば55勝をこえる。知性派として知られ、88年にはゴルフ殿堂入りも果たした。

 

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