僕のマグノリアレーン

2011.01.19

【第2回】
オーガスタの15番で狙え、2オン!

tittle

2011年初頭、ジャーナリスト・上杉隆が掲げた目標は、「マスターズ出場」というとんでもないものだった。無謀以外の何物でもない夢に突き進み始めた彼が向かったのは、知己のレッスンプロ・中井学の待つレッスンスタジオ。半ば強引に上杉の野望をサポートすることになった中井は、上杉にオーガスタ攻略法として、まずは“飛距離アップ”を課題に挙げたが――。

※マグノリアレーンとは……ゴルフの祭典「マスターズトーナメント」が開催されるオーガスタナショナルGCへの進入路。ここを通り抜け、マスターズに出場するのがすべての男性ゴルファーの夢なのだ。

第1回から読む

オーガスタ攻略のための
その1は、飛距離アップだ!

中井 ちょっとおさらいしておきましょうか。まず、上杉さんはマスターズに出たい。そして、マスターズに出たときのために、オーガスタ攻略法を学びたい。先週の話、ここまで合ってますよね?

上杉 おお。完璧に理解していただいてありがとうございます。さらに中井プロは、マスターズ攻略のためには4つの条件がある、とおっしゃっていましたね。

中井 その通りです。4つの条件、覚えてらっしゃいますか?

002-1上杉 当たり前じゃないですか。記憶力には自信があるんですよ、僕は。あれは1986年4月のマスターズ最終日。オーガスタでの3度目の優勝を目前に控えたセベ・バレスロスの15番のセカンドショットが奥の池に吸い込まれたシーンなんて、ああ、まるで昨日のことのようですね。うん、アゼリアの花が美しかったなぁ……で、なんでしたっけ、4つの条件って。

中井 なんだか、ちょっと悲しくなってきました。

上杉 冗談です冗談。え~と、

1 飛距離の出る高い球の修得と、弾道を打ち分ける高度な技術

2 傾斜地からドロー、フェードを打ち分ける極めてハイレベルな技術

3 ショートゲームの精度の圧倒的な向上

4 オーガスタに特化した精緻なゲームプランの構築

の、4つですよね。

中井 そうですそうです。そして、まずは「1」の飛距離アップから取り組もう、という話で先週は終わったんですよね。

上杉 飛距離ですか。今でも300ヤード超えは軽いですよ。

中井 えっ、そうでしたっけ?

上杉 はい。2打で。

中井 今週もそれに付き合わなくてはいけないんですか?

上杉 すみません。実際は飛びません。実は、事故の影響(上杉は03年に北西アフリカ諸国マグレブで貨物列車との衝突事故に遭遇し、約一年間の入院・リハビリ生活を余儀なくされ、現在も左腰と左脚にはチタンが埋め込まれている)もあって、220~230ヤードくらいしか飛びません。

中井 それをなんとか、最低でも280ヤードまで伸ばせないと戦えません。

上杉 50ヤードアップですか……。それって、レフティに転向するくらい難しくないですか?

中井 そんなことはありませんよ。上杉さんは体格もいい(179センチ、77キロ)し、確かに事故の影響をひきずっている部分もありますが、改善の余地は大いにあります。直りますよ。

上杉 本当ですか。信じていいんですか?

中井 はい。普通の身体さえあれば、誰にでも改善の余地があるものです。

上杉 その性格を直せ、とよく言われますが、それも直りますか。

中井 それは無理です。別のところに行ってください!

上杉隆のスウィングの
重大な欠点とは?

002-2レッスン前の上杉のスウィングは上体をねじれるだけねじった結果、下半身が止まって腕の力で振り下ろしてしまっている……
上杉 では、性格以外の欠点を指摘してください。

中井 はっきり言って手打ちなんです。これを直すだけでも飛距離は劇的にアップします。

上杉 手打ち?

中井 そう、手打ち。

上杉 誰との?

中井 そうじゃなくて、身体的な手打ち。

上杉 ああ、スウィングのね。

中井 他に何があるんですか?

上杉 手打ちね~。基本的には、体の捻転で打っている意識なんですけど。

中井 上杉さん世代の方に多い傾向なんですが、下半身をしっかりと固めて、上体をねじれるだけねじろうとしているように見えるんです。

上杉 グレッグ・ノーマンがそうでした。そもそも、捻転の差こそが飛距離を生むと教わったし、今でも意識してますね。

中井 でしょ? しかし実はこれ、手打ちになりやすいイメージなんです。

上杉 えっ、なんで?

中井 上体をねじり上げ、ねじり戻すイメージだと、手を速く振ることはできても、体の速度は上げられません。それに、手先がスウィングの支点となってしまうので、慣性エネルギーも発生しないんです。

上杉 なるほど。物理学における遠心力の作用を考えるとそのとおりですが、でもスウィングで作る弧には限界があるでしょう。

中井 いえ、体全体を使って振ることができれば、スウィングの支点は背骨の後ろになります。それにより、より多くの慣性エネルギーが発生し、ヘッドスピードがグンと上がるんです。その結果……。

上杉 おお、50ヤードアップも不可能ではない、と。

中井 そうです。

上杉 困ったなぁ、飛ばし屋になっちゃうじゃないですか! コンペでドラコンとか取れますかね。

中井 マスターズを目指す人がなにを小さなことを言ってるんですか。

上杉 じゃあ、マスターズでドラコンを――。

中井 ありません。

上杉 はい。知ってます。

中井 具体的には、50ヤードの飛距離アップが実現すれば、チャンスホールの15番で2オンを狙い、イーグルチャンスにつけることもできる。戦える態勢その1が整うわけです。

上杉 う~ん、たしかに15番はイーグル、最低でもバーディのほしいホールですもんね。セカンドは打ち下ろしで、ティショットの飛距離によってはアイアンでのツーオンも狙える。理想的です。

中井 また、最終18番ホールは465ヤードと距離のあるパー4、しかも打ち上げですから、300ヤードクラスの飛距離がないと戦えません。攻めるだけでもなく、守りの意味でもオーガスタでは飛距離は不可欠なんです。

上杉 なるほど。では、具体的にはどうやって打てば飛ぶんですか?

中井 まあ、今週はこの辺でいいじゃないですか。先は長いし、おなかも減ったし。

上杉 飛距離と空腹は関係あるんですか?

中井 ありませんが、いまはあるような気がします。

上杉 いいかげんですね。その性格直してあげましょうか? ま、きょうはこんなところでいいか。じゃ、この良いイメージのまま、中井さん。となりに焼肉でも食べに行きましょう!

 

飛距離不足の原因を突き止め、意気揚々と焼肉を食べに赤坂の夜に消えた上杉・中井コンビ。しかし、まだ実際に飛距離が伸びたわけではない。果たして、中井による飛距離アップのための秘策とはいったいいかなるものなのか? 次週、炭火より熱く、キムチよりもホットな飛距離アップレッスン第2弾! 目指せ! マスターズ!



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

運営会社 | プライバシーポリシー