僕のマグノリアレーン
2015.01.23
【第189回】
まずは“平均スコア”を高めよう
マスターズを目指してゴルフに夢中な日々を送るジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当のプロゴルファー・中井学。今回は重大発表が!! 今週は、4年間の連載を振り返るとともに、ゴルフでいう“真の上達”について解説するというのだが、その真意とは?
ゴルフの「上達」とは、
ミスが少なくなるということ!
中井 ふと思ったのですが、上杉さん、この連載が始まったのっていつ頃か、覚えていますか?
上杉 そうですね。私は1968年生まれですから、1968年以降で、2015年以前のいずれかの年だと思います。
中井 そりゃそうです。正解は2011年の1月11日です。
上杉 ああ、東日本大震災が起こる、ちょうど2カ月前だったのか……。
中井 今年で連載も4年目、ということで、ひとまず来週で一区切りとなりました。
上杉 ええっ、この連載は私がマスターズに出場するまで続くはずでは……? それとも、自分でも気づかないうちに、私はマスターズに出場していたのでしょうか?
中井 いえ、マスターズの公式記録に、タカシ・ウエスギの名前はありません。
上杉 ふふふ、甘いですね。しっかりと記録されているはずですよ、「記者」として――。
中井 ともあれ、次週をもって、4年の連載に幕を引くことになりました。マスターズに出られなかったのは当然、じゃなかった残念ですが、僕自身、上杉さんがこれほどまでに上達するとは思いませんでした。
上杉 私も自分のコーチが教え子の上達を信じていなかったとは思いませんでした。
中井 すみません。でも、本当に驚くほど上手になりましたよね。
上杉 ミラクルショットが打てるようになったというわけでもないし、ミスがなくなったわけでもないんですが、ミスの幅が小さくなりました。右に30度の角度、ときには45度の角度で飛び出していた球が15度で収まったり、残り100ヤードから、ときには20ヤードしか飛ばないミスをしていたのが、ミスしても80ヤードは飛ぶようになったとか……。
中井 素晴らしい。それこそがまさに「上達」ということです。多くの人は、「上達」とは、飛距離が30ヤード伸びることや、ナイスショットの確率が増えることだと思いがち。でも実際は、ミスの幅が小さくなったり、ミスの回数が少なくなるのが「上達」なんです。
上杉 たしかにそうだな~。
「いきなり80台で歓喜する」より
「いつも90台」が喜ばしい
[写真]いつか「記者」ではなく、「選手」としてオーガスタへ……。
中井 たとえば100が切れないゴルファーが、いきなり80台で回ったとします。それは素晴らしいことですが、それから再び100が切れなくなったとしたら、それは上達とは呼べません。逆に、80台は出したことがないけれど、つねに90台で回れるようになった、というほうが「上達」です。ベストスコアよりも平均スコアを高める。それが上達するということなんです。
上杉 私自身、4年前は年に1回は100を打っていた気がしますが、気が付くと最近では90を叩くことさえほとんどなくなってきました。
中井 ラウンドは月2回。それも仕事が忙しいと、数カ月ゴルフに行けないこともある。そして練習はまったくしない……。それでよくぞここまで……。
上杉 中井プロの理論の正しさが証明された、ということで。
中井 マジメに練習していたら、下手したらスクラッチプレーヤーレベルまで達していたかもしれませんけどね……もういいです。ともあれ、長らくご愛顧いただきました「僕のマグノリアレーン」は、来週が最終回! そうだ、最終回は、これだけの上達を遂げた上杉さんが、読者に向かって「上達した要因」を教える、なんてのはどうですか?
上杉 ふふふ、本来であれば秘密にしたいところですが、特別に公開しましょう。明日のゴルフ界の発展のために。
中井 そんなに大きい話でしたっけ、この連載……。
ゴルフは、気まぐれなベストスコアを出すことよりも、平均スコアを高めることが大事だと言う中井プロ。その“平均値”を徐々に良くしていけば、いつの間にかマスターズに近づけるハズ!? 最終回となる次週は、4年間の連載で格段に上達した上杉氏が読者に向けて、“上達の要因”を徹底解明!! ということで、目指せマスターズ!
「お尻」で打てば、真っすぐ飛びます。