僕のマグノリアレーン

2014.11.28

【第184回】
語感から生じる難易度の罠

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指してゴルフに夢中な日々を送るジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当のプロゴルファー・中井学。今週は、ついつい陥ってしまいがちな“距離の罠”に引っかからない方法をご紹介します!

ヤーデージ杭だけで
残り距離を判断してない?

上杉 ふふふ、ドライバーでナイスショット。残りは……と、150ヤードの杭のちょい先。150ヤードをちょっと切る、って感じですかね。ははは、楽勝です。

中井 ちょっと待ってください、念のため、レーザー測定器で距離を測りますから……ああ、奥ピンなので、残りはまだ約170ありますね。

上杉 なんと! せっかくティショットで飛ばしたのに……すごく損した気分です。

中井 いやいや上杉さん、考えようによっては、これ逆にラッキーかもしれませんよ。

上杉 残り150Y弱の気分だったのが、170Yも打たなくちゃいけなくなったっていうのに、ラッキーなわけないじゃないですか。

中井 こう考えてみてください。もし「ピンが手前だったら」と。

上杉 そっちのほうがラッキーですよ。

中井 本当にそうでしょうか? 130ヤードの手前ピンと、170ヤードの奥ピン。少なくとも僕にとっては、130ヤードの手前ピンのほうが難しく感じます。

上杉 へ?

中井 無論状況によりますが、130ヤードだとすれば僕はPWか、その下のウェッジを持ちます。そうすると、とくに一般営業のゴルフ場だと、スピンコントロールがものすごく難しくなってしまうんです。

上杉 なんですか、自慢ですか。

中井 違いますって。逆に170ヤードの奥ピンならどうか。使用番手は7番か8番。まあ、ショートアイアンですよね。これならほとんどキャリーした地点に止まるので、ピンに突っこんで打つことができます。こっちのほうがカンタンに思える状況は、多々あります。

「ピンまでの距離」よりも
“ピンポジション”に目を向けよ!

上杉隆
[写真]難易度がはっきりすればショットにも余裕が生まれる

上杉 言われてみると、短い距離から手前のピンを攻める場合、わずかにショートしてガードバンカーに吸い込まれたボールが目玉になるといった悪夢を、今年も数多く見てきた気がしますね。主に寝室ではなくゴルフ場で。

中井 ですよね。上杉さんにとって、「キャリー170Y、ラン0Y」のボールを打つのはたしかに難しいと思います。しかし、「キャリー160Y、ラン10Y」だったら、一気にハードルが下がると思いませんか?

上杉 あ、たしかに。6番か、あるいは7番アイアンでフツーに打てばいいわけか。「残り170ヤード」という言葉の語感から生じる難易度に比べると、はるかにカンタンに思えますね。

中井 「語感から生じる難易度」っていい言葉ですね。まさにそれです。たとえば、フェアウェイど真ん中からピンまで残り100ヤード。これ、どんなイメージですか?

上杉 1ピン以内に寄せ、バーディパットを打っている自分が容易にイメージできますね。

中井 ではそのピンはエッジから5ヤードにあって、手前が池だとしたら?

上杉 げげっ。急激に難しくなった!

中井 では、同じ状況で、ピンがエッジから25ヤードの、残り120ヤードだとしたら。

上杉 あっ、すっごくカンタンに感じる。

中井 ですよね。ひとはどうしても、「距離が短ければ短いほどやさしい」と感じます。それは仕方がないし、多くの場合は実際にそうです。しかし、このように「語感から生じる難易度」と「実際の難易度」にギャップがあるケースも多々あるのです。

上杉 距離だけを見ず、ピンポジもコミで考えなくちゃいけないってことですね。

中井 特に冬場は午後から強い風が吹くケースが多くありますからね。アゲンストは球が止まりやすく、フォローはスピンがほどけやすい。そのあたりも計算に入れて、コースを攻略してくださいね!

 

ピンまでの距離が短ければ短いほど、うまくいったものだと思いがち。しかし、実際はキャリーとランの距離や、ピンの手前にはなにがあるのかを考えなくてはならない。そのためには、より詳細に距離を把握しておく必要がある。しかし、この罠にハマらなければ、ワンランク上のコースマネジメントができるのだ! ということで来週も、目指せ、マスターズ!



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