僕のマグノリアレーン

2014.07.04

【第167回】
スランプに陥ったらゴルフを休息せよ!

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指してゴルフに夢中な日々を送るジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当のプロゴルファー・中井学。今週は、石川遼プロから学ぶ意外な“スランプ脱出法”を紹介します。

昨年とは違った姿を
見せてくれた石川遼

中井 さて、久しぶりの更新となってしまいましたが、今週はアレですよ。なんといっても「セガサミー」です。

上杉 おっ、石川遼プロと松山英樹プロが出場している試合ですね。このふたりが揃うのって、すごく久しぶりな気がします。いいなあ、この時期の北海道、最高なんですよね。

中井 北海道は梅雨がないですからね。

上杉 思えば去年の今ごろ、石川プロは米ツアーで予選落ちが続くなど大苦戦。その悔しさは、東京都アマの本選で無念の予選落ちを喫した私も、大いに共感したものです。

中井 世界最高峰のツアーと、日本のイチ自治体主催試合を比較するとは……! でもまあ、選手にとっては試合の規模は関係ないか。それもゴルフですね。うん、そうだ。

上杉 妙な納得の仕方をしないでください。

中井 ともあれ石川選手、いっときはバーンアウトというか、ちょっとインタビューの受け答えなどを聞いていても投げやりな感じがありました。昨年も同じような時期に日本ツアーにスポット参戦しましたが、予選落ちでした。それが、今年は米ツアーのシード権をほぼ確実にしての日本ツアー参戦ですからね。しかも、金曜日現在上位でプレーしています。

上杉 私は彼を2009年から見ていますが、やはり類まれなスター性を持つ選手ですからね。とはいえ松山くんもすごいんだよなあ。っていうか、そもそも同い年の選手がふたり同時にアメリカでシードを獲るってすごいですよね。しかもまだ22歳ですよ!

中井 読者のみなさんの隣に座っている新入社員と同い年ですからね。さて、以上を踏まえて今週は、「深刻なスランプにどう対応するか」を考えてみたいと思います。

一度ゴルフをリセットすると
悪いクセが消える!?

石川遼
[写真]勝つためにあえて現場から離れて特訓する石川遼プロ

上杉 実に唐突ですね。

中井 というのも、石川選手、今回一カ月ばかり北海道に滞在するらしいんですよ。アメリカで戦うためのミニ合宿をはるみたいで。

上杉 へー、シーズン中に、珍しいですね。

中井 珍しいですよね。以前、石川選手は出られる試合はとにかく全部出るというスタンスでした。ひたすら試合に出て、ひたすら練習すれば、必ず結果はついてくるというある意味シンプルな思想です。

上杉 アマチュアゴルファーの中にも、程度の差はあれそういう考えの人は多いですよね。昔よく言われた「シングルになるにはダンプカー一杯分の球を打て」とか。

中井 そうですね。しかし、どうしても結果がついてこなかったり、カラダの故障に悩まされたりということがあった。だから今回のミニ合宿は、僕は英断だと思うんです。ともあれ、今回読者のみなさんに提案したいスランプからの脱出法は、実にシンプルなんです。

上杉 なんでしょう。

中井 一度ゴルフをやめてみる。

上杉 やめたらスランプもなにもないじゃないですか。釣りでもはじめろとでも?

中井 そうは言ってません。打っても打っても思うようなショットが打てない。スウィングすると体に痛みが出る。そんなときは、練習したり筋トレしたり無理にラウンドに出かけたりせず、一度ゴルフをやめるんです。お友達からの誘いも断る。気分転換に釣りにいったっていいですよ、それこそ。このマニアックな連載を読んでいる人だったら、必ず1~2カ月で限界がくるでしょう。「ゴルフにいかずにはいられない!」って。

上杉 それは激しく同意ですね。

中井 その状態でゴルフにいくと、まず自分自身に期待しないんです。だからメンタル的にノープレッシャーでゴルフできる。しかしそれはあくまで副産物。もっとも重要なのは、チェックポイントがリセットされることです。

上杉 どういうことですか?

中井 スランプに陥っているときって、ほぼ間違いなく自分の中のチェックポイントが増えすぎているときなんです。体重移動にボディターンにフェースターンにリストアクションにって、人間そんなにたくさんは同時に考えられません。一定期間ゴルフから離れると、これが完全にリセットされるんです。

上杉 ああ、なるほど。でも、チェックポイントを意識していないと悪いクセが出たりしないもんですか?

中井 ある程度上達しているプレーヤーであれば、リセットするだけで悪いクセが消える可能性のほうが高いですよ。それだけニュートラルな状態で振れるわけですから。

上杉 なるほどなー。しかし、レッスンを生業とするプロが、「ゴルフをやめろ」って、すさまじいアドバイスですね、考えてみると。

中井 いやいや、そうやって元気になってまたゴルフ場に戻ってきてもらえればいいんです。ま、スランプなんかなければないほうがいいに決まってますけど。無理に練習しても無駄、あるいはかえって状況を悪化させる可能性があることは、覚えておいてもらいたいですね。

上杉 練習すればいいってもんじゃない。読者のみなさんも、「練習を一切しないで上手くなる」がコンセプトの私を見習ってもらいたいものですね。

中井 上杉さんみたいに、「仕事でゴルフを習う」という環境にいる人は極めて少ないですからね……。

 

ゴルファーにとって“ゴルフから離れる”ことは難しい選択なのは間違いない。だが、しばしの休息期間を経て気づくこともある。もし現在スランプに陥っているとしたら、一度この方法を試してみるのはどうだろうか。ということで来週も、目指せ、マスターズ!



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