僕のマグノリアレーン

2014.05.15

【第163回】
“劇薬”スウィングは人を選ぶ!?

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指してゴルフに夢中な日々を送るジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当のプロゴルファー・中井学。今週は、先週紹介した“劇薬”スウィングの理論を詳しく紹介していきます!

“劇薬”スウィングの理論は
手打ちの人にはむしろ逆効果

上杉 さて先週、なんだかわからないですが、とにかく凄い球を打ててしまったんですよね。

中井 なんだかわからないことってことはないです。きちんと理由があるので安心してください。

上杉 一体どういう理屈だったんですか、私が凄い球を打てたのは。

中井 それには、上杉さんの、いや、多くのアマチュアゴルファーが上達していく道のりを考える必要があります。

上杉 なんか、大きい話になってきましたね。

中井 ほんの数年前まで、上杉さんは手でクラブを振り上げ、手でクラブを振り下ろす、典型的な手打ちゴルファーでした。

上杉 ふ……私にもそんな時期があったような、なかったような。

中井 あったんですよ、およそ30年間ぐらい。手で振るのはパワーも安定感もありませんから、飛ばないし、曲がる。だから、手はなにもせず、身体の正面に腕とクラブを固定するイメージで胸を左右に回すだけで振ってくださいとお願いしました。

上杉 うん、それで飛距離も伸びたし、安定感も増したんですよね。

中井 そうですね。手打ちをやめて、体の動きだけで振る意識に切り替えた。これだけでも天動説から地動説へと変化したようなものです。

上杉 いつになく大げさですね、今日は。

中井 いやいや、手先しか動いていなかったのが、体の中心が動くことで手先が動かされるようになったわけですから、大変な違いですよ。見た目には大きな変化がないとしても、その“中身”は真逆といっていいほど変化しています。

上杉 とはいえ、そのスウィングにも行き詰まりを感じていたところ、先週「グリップエンドをボール方向に振り下ろす」イメージで振れと言われ、実践したところ、過去にない弾道の球が打てたわけです。でも、「グリップエンドをボール方向に振り下ろす」って、むしろ手を使うイメージな気がするんですけど。

中井 そうなんですよ。このアドバイスは、手で振る人にとっては絶対に言ってはいけないアドバイス。体で振る感覚がつかめてきた人にしか言ってはいけないんです。

上杉 どういうことですか?

クラブが立ちすぎる人が
オンプレーンに変化

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[写真]“劇薬”スウィングがハマればショットが安定する

中井 まず、前提として手を使ってスウィングしている人に「グリップエンドをボール方向に振り下ろす」イメージで振れというと、ほぼ100%シャフトが寝ます。

上杉 まずいですね。起きろ! とでも言うんですか?

中井 (無視して)シャフトが寝るとは、正しいスウィングプレーンの下にクラブが落ちてしまう状態です。そのままだとダフるしかないので、手元を返して当てにいくようなスウィングになってしまいます。上杉さんは体の動きで振ること自体はできているんですが、唯一、バックスウィングのプレーンよりも外側から、すなわちクラブがより立った状態で降りてきてしまう“オーバーザトップ”という悪癖があるんです。

上杉 あれね~。どうしても直らないんですよね。

中井 そこでピンときたのです。グリップエンドをボール方向に振り下ろすイメージは、手打ちの人にはシャフトが寝て、スウィングを壊す毒薬。しかし、クラブが立ちすぎる上杉さんには、劇薬となりうるのではないかって。

上杉 うーん、やりますね、中井プロ。外科手術を施したかのような劇的な変化が起こりましたからね。

中井 というわけで、今回のレッスンは、はっきり言って万人向けではありません。まず前提として、手を使わないカラダを使ったスウィングができていること。そのうえで、「スウィングがアップライトすぎる」とか、「切り返しでクラブが立ちすぎている」という指摘をプロから受けたことのあるという人は、一度だまされたと思って、「グリップエンドをボール方向に振り下ろす」イメージで振ってみてくださいね。

 

カラダを使ったスウィングをしているゴルファーには有効だが、手打ちゴルファーには毒薬になってしまう……。グリップエンドをボール方向に振り下ろす今回のレッスンは、まさに使う人を選ぶ“劇薬”スウィングなのだ。われこそは“上杉型のスウィング”だと思うゴルファーは、ぜひ試してみて欲しい! ということで来週も、目指せ、マスターズ!



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