僕のマグノリアレーン

2014.04.18

【第159回】
2度目の優勝を飾ったバッバの勝因は?

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指してゴルフに夢中な日々を送るジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当のプロゴルファー・中井学。今週は、先週末に開催されたマスターズの結果について、徹底検証しています。

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タイガー不在の今年のマスターズ
ベテラン勢が大いに盛り上げてくれました

上杉 いや~、今年も終わりましたね、マスターズが。

中井 終わりましたね~。タイガーが出場せず、ミケルソンやルーク・ドナルドらビッグネームが予選落ち、松山英樹選手も決勝には残れず、マクロイやデイ、アダム・スコットといったビッグネームも優勝争いには絡めず……。それでも面白いからすごいですね、マスターズは。

上杉 そう、さらにこの私です。なんと今年6年ぶりにオーガスタの地を踏めなかったのですが、それでもやはり素晴らしい大会に変わりはなかった。立派だな、ペイン!

中井 なぜ、上から目線なんですか? しかもビリー・ペイン委員長と上杉さんは無関係でしょ。それにしても、試合はバッバ・ワトソンが2着目のグリーンジャケットに袖を通す結果となりましたが、ハタチの新鋭ジョーダン・スピースも最後まで優勝争いを盛り上げてくれました。スピース、素晴らしかったですね。

上杉 あと、忘れちゃいけないのが単独4位に入ったスペインのミゲル・アンヘル・ヒメネス、8位タイのベルンハルト・ランガーといった50歳を超えたベテラン勢の活躍ですよね。

中井 ほかにもマスターズでは必ず活躍するフレッド・カプルスに、サンディ・ライル、ラリー・マイズ、ホセ・マリア・オラサバルといった歴代優勝者たちも予選を通過しました。“本命不在”と言われた今回のマスターズですが、オジサンたち……いや、レジェンドたちが盛り上げてくれましたよね。

上杉 ほとんど私よりも年上。ヒメネスなんて、勝てば1986年、「ジャック・イズ・バック」と呼ばれたジャック・ニクラスの最年長優勝記録を更新するところでしたからね。ああ、懐かしい。1986年、当時私は高校生。テレビの音声をカセットテープに録音しながら、ジャックの雄姿に涙した日が昨日のようです。

天候をも味方につけたバッバ
勝因は一体なんだったのか?

「今年のマスターズで2度目の優勝をしたバッバ・ワトソン」

バッバ・ワトソン

中井 上杉さん、大好きですもんね、ジャック。さて、この連載では毎年マスターズの優勝者予想をしております。今年は本命不在で「強いていえばカブレラ?」という曖昧な予想をしてみましたが――。

上杉 見事に予選落ちでしたね、カブレラ。期待しないと突然優勝したりして、期待すると予選落ち。困った男であるゼンチン。

中井 そこはスルーしていいですね。 勝ったバッバは見事でしたが、彼は天候も味方に付けましたね。

上杉 天功? まさかあのプリンセステンコーがバッバの後ろにいたとは! オーガスタもやりますね。

中井 ここもスルーでいいですね。 先週、大会期間中に好天が続けば、グリーンが硬くなる分、セカンドショットで短い番手を持てる飛ばし屋が有利だ、と言いましたが、バッバはそこにピッタリハマる選手です。

上杉 ああ、たしかに月曜日に雷雨が来た以外は、練習日も含めすごくいい天気だったようですね、今年のオーガスタは。この欄の担当者の大川ボギー編集長が自慢げに語っていました。あ、そう、そう、ちょっといいかな。ところで中井くんはオーガスタには行ったことがあるのかな、ははん?

中井 ははんって……。そこは完全にスルーします。さて、 選手たちのコメントを見ても、とにかくみんな「グリーンが硬い」と言っています。ここでポイントは、「グリーンが速い」とは一言も言っていないんですね。オーガスタといえば“ガラスのグリーン”という印象がありますが、実際はグリーンの“速さ”ではなく“硬さ”がプレーヤーを悩ませるのです。

上杉 オーガスタのグリーンの傾斜は半端じゃないですからね。「アンジュレーションが強い」というよりも、グリーン自体が傾斜していて、その中に平面がある、みたいな感じで。

中井 だからこそ、その日その日のピン位置に対して狙いどころが絞られるわけですよね。その絞られた狙いどころがコンクリートのように硬いとしたら、圧倒的に短い番手で狙える選手が有利です。特に最終日まで好天が続いたことが、飛距離の劣るスピースや、経験に勝るベテラン選手たちがパワーにおいて大きなアドバンテージを持つバッバに一歩及ばなかった最大の要因になったと思います。

上杉 バッバ・ワトソンは最終日の13番パー5のセカンドをピッチングウェッジで狙っていましたからね。現場に行くとわかりますが、もう、これは本当に訳が分からないほど凄いことです。

中井 林の中からでもグリーンを狙える「曲げる技術」。そして圧倒的なアドバンテージとなる「飛ばす技術」。マスターズを制するために必要なふたつの技術を併せ持ち、オーガスタのコースレイアウトに対してやっぱり有利な左打ち。さらには好天がもたらした硬いグリーン……バッバのためのマスターズに、結果的にはなりました。

上杉 決めましたよ、中井プロ。

中井 もしかして「左打ちになる」って言うんじゃないですよね?

上杉 ギクッ! なんでわかったんですか。

中井 なぜなら、そのネタはかなり以前に聞いたからです。

上杉 そうでしたか……。でも、単なる左打ちではなく、限りなく飛ばす左打ちですよ。

中井 もういいですか? さて、個人的には、今年のマスターズを観て、改めて思うところが多々ありました。それを、来週以降、具体的なレッスンに落とし込んでいきましょう。

上杉 よーし、では来週から、改めてマグノリアレーンとグリーンジャケットを目指して左打ち特訓、がんばりましょう!

 

意外と認識違いの多いオーガスタのグリーン。実は、“速さ”ではなく“硬さ”でプレイヤーは悩んでいたのです。対処するには、確実に狙える距離感とパワーが必要だったわけですね。ということで、はやくも来年に向けて、目指せ、マスターズ!



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