僕のマグノリアレーン

2014.02.21

第154回
「浮気」のススメ

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指してゴルフに夢中な日々を送るジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当のプロゴルファー・中井学。今週は、中井プロが上杉のパットの不調を解決します!

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ワンストロークの重みを知った
上杉のパットに変化が……

中井 さて、ここ数週は都内から一時間以内で行けるゴルフ場、西武園ゴルフ場でのレッスンの模様をお伝えしています。

上杉 あれ、気が付けばカートにやたらたくさんパターが入っていますね。

中井 ふふふ、今日は4本のパターを持ち込んでみました。

上杉 かわいそうに、よほどパターに深刻な悩みを抱えているんですね。ロングパット用とショートパット用、テキサスウェッジ用と……あと一本はなに用ですか?

中井 ちゃうわ! 上杉さんに使ってもらおうと思って持ってきたんです。たとえばこれなんかいいですよ。大型マレットタイプの、ピンの“クレージー”です。

上杉 私には愛用のスコッティ・キャメロンのアンサータイプがありますから、せっかくですが間に合っています。

中井 いいですよね、そのパター。でも上杉さん、正直最近パットの調子がイマイチよくないと思いませんか?

上杉 中井プロのパットの調子はちょっとわかりません。

中井 僕じゃなくて上杉さんのパットの調子です! というのも、上杉さん最近ファーストパットがほぼ必ずショートしているんですよ。

上杉 ギクッ! なぜそれを!?

中井 上杉さんといえば、どんな複雑なラインでも必ずオーバーする、悪くいえば無謀、よくいえば勇気のあるパットが持ち味でしたが、その姿は今ありません。前にもお伝えしましたが、バーディパットを沈める絶対的なコツは強く打つ、すなわちオーバーさせること。はっきり言いましょう、最近の上杉さんは、弱気すぎなんですっ!

上杉 なななんと……。たしかに、麻雀でもすぐにベタオリする人よりも、振り込みを恐れずに危険牌を通す人のほうが強いですよね。しかし、ティーチングプロなんだから道具を用意するんじゃなくて、打ち方をレッスンしてくれればいいじゃないですか。

中井 ファーストパットがショートする……これは技術的というよりは、心理的な問題ですからね。以前の上杉さんは、たま~に70台も出るけど、90も平気で叩くゴルフでした。しかし、最近になってつねに70台を狙える腕前になってきた。結果、ワンストロークの重みを実感するようになり、結果的にパットが弱気になっているのです。

上杉 それはそうかもしれないですけど……でも、それとパターを何本も試すのと、なんの関係があるんですか?

中井 上杉さんの使っているアンサータイプやL字タイプのパターに比べ、大型マレットタイプのパターは、「飛ぶパター」なんです。

上杉 中井プロ、パターは飛びません。

中井 言葉のアヤです!

大型マレットなら、パターが
勝手にボールを転がしてくれる!

154上杉が使用するアンサー型は、繊細なタッチが必要なオーガスタのグリーンには向いているが……

中井 大型マレットは、数字が大きいほど「動きにくい」ということになる慣性モーメントの数値が大きいんです。そのため、常に一定のストロークがしやすく、ヘッドの直進性も高いため、小さなストロークでも勝手に転がってくれます。それに対して、アンサー型やL字型は、自分で距離感をキッチリ作る必要があるんです。

上杉 ええっ、じゃあ、大型マレットのほうがすぐれているってことですか?

中井 そういうわけではないんです。それこそオーガスタナショナルの「ガラスのグリーン」では、アンサー型やL字型のような、繊細なタッチが出しやすいパターのほうが過去には実績を挙げています。

上杉 私が目指すのはマスターズ。ということは今のままアンサー型を使い続けたほうがいいじゃないですか。

中井 そういう考えもあります。しかし、上杉さんは現在ちょっと「打てない」状態。それを払しょくするには、大型マレットのいい意味での鈍感さ、自分が打たなくてもパターが勝手にボールを転がしてくれる機能の助けを借りて、カップをオーバーさせていく感覚をよみがえらせたほうがいいと思うんです。むろん、いま上杉さんが使っているスコッティ・キャメロンのアンサー型は素晴らしいパターですが、パターは調子によって変えたほうがいい結果を生むことも多々あるということを、僕は今週お伝えしたいんです。

上杉 そういうもんですかね。まあ、ものは試しに打ってみます。そもそも、私はこういうトラディショナルでない形状のパターは好みではないんですが……(と、ブツブツ言いながら打つ)。あっ、3メートルが一発で入った! 中井プロ、このパターを私のエースパターにします。決定。

中井 な、なんて単純なんだ……。

 

「そういえば最近、パットがショートしがちだなぁ」と思ったあなた! ときには普段とは違うパターの機能を借りれば、感覚が取り戻せるかもしれませんよ。是非、お試しあれ。ということで来週も、目指せ、マスターズ!

 



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