僕のマグノリアレーン

2014.01.31

【第151回】
フォローサイドで出球管理

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指してゴルフに夢中な日々を送るジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当のプロゴルファー・中井学。今週は、早くも米ツアーの来季シード当確の石川遼選手に学びます。

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遼くんが米ツアーでやっていた
ちょっと変わったパターの素振り

中井 先日行われた米ツアーの試合、ファーマーズインシュランスオープンで、興味深いシーンを観ましたよ。

上杉 石川遼選手が7位タイ、松山英樹選手が16位タイ。日本の期待の若手ふたりが揃って活躍した試合ですね。とくに、遼くんは優勝まであと一歩でした。で、興味深いシーンってなんですか?

中井 その遼くんのグリーン上での“素振り”です。上杉さん、ちょっとパターを持って素振りをしてもらえますか?

上杉 こう?(ふつうに素振り)

中井 ふつうはそうですよね。でも、遼くんはテークバックを一切とらず、フォロー側だけで素振りをしていたのです。

上杉 フォロー側だけ? それってなにか意味があるんですか?

中井 フェース面の管理、それを徹底的に行っていたのだと思います。パットの場合、ボールの飛び出す方向はほぼ100%フェースの向きに依存します。いくらラインを読めていても、狙ったところに打ち出せなければ意味がない。なおかつ、フォローサイドを意識することで、インパクトでのゆるみもなくなりますからね。

上杉 まあ、フェース向きが重要なのはわかります。でも、それでなんでフォロー側だけで素振りするんですか? フォローって、“打った後”じゃないですか。むしろ大切なのはバックスウィングな気がするんですけど。

中井 「フォローは打った後だから関係ない」なんてことは断じてないんですよ。ここは大事なポイントなので覚えてほしいのですが、パットの場合、フォローがテークバックを決定するんです。

上杉 また分けのわからないことを言いだしましたね……。

 

アンサーやL字型パターには
フォローサイドの素振りがいい!

151狙ったところに打ち出すには、フォローサイドの素振りが効果的と中井プロ

中井 まあそう言わずに。フェース面の向き=打ち出し方向と説明しましたが、ストローク中にフェースを開いたり閉じたりがほとんどできないパットの場合、打ち出し方向=フォローを出す方向になる。逆に、バックスウィング自体は出球に一切影響を与えませんよね?

上杉 そりゃそうだ。バックスウィングで球を打つわけではありませんからね。

中井 スウィングの幅が大きいドライバーなら、インサイドに上げる、アウトサイドに上げるといった調整ができます。しかしパットではそれができない。遊園地にある「バイキング」みたいなもんです。軌道はひとつしか選べない。ひとつのフォローに対して、ひとつのテークバックの軌道しか存在しないということです。そして、どの軌道を選べばいいのかといえば、もちろん思ったところに打ち出せる軌道。フォローサイドで素振りをすることで、狙ったところに打ち出せる軌道を確認していたんです、遼くんは。

上杉 め……珍しく理論的な解説ですね。

中井 ……いつもです。

上杉 しかし、フェース向きがほぼ100%出球の方向を決定するんですね、パットの場合って。

中井 ちょっと意外に感じられるかもしれませんが、これは多数のデータから明らかになっていることです。

上杉 ふーん。しかし、肝心の距離感はどうするんですか?

中井 それはね~、基本的に人それぞれなんですよ。よく振り幅を決める、とか言いますが、同じ振り幅だってストロークのスピードが異なれば距離感は大きく変わりますし、使うパターによっても違います。

上杉 うーん、そうか。

中井 最後にひとつだけ。今回お教えしたような、フォローサイドで出球方向を管理するやり方は、とくにアンサータイプやL字タイプなどのパターに合うやり方です。大型マレットなどの場合、もうちょっとインパクトと、そこから逆算したテークバックが重要になってきます。

上杉 ふふふ、私はアンサータイプのパターを愛用していますから、今回のレッスンはまさに私にピッタリ。大型マレット愛用者の諸君には関係のない話ですね。はっはっはっはっは。

中井 こんなまとめでいいのだろうか……。

 

テレビで何気なく見ているプロの素振りには、様々な目的や効果があるんです! そんなことを考えながらトーナメント中継を観るとより一層、面白くなりますよ。ということで来週も、目指せ、マスターズ!

 



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